姉妹都市連合② 後編
・・・・「カった」
パンテールがもう完全に日が落ちきり、青紫の空に豪華庭園から広がるライトアップが見える窓を見上げながら怪訝な顔をしていた。
「ワタシ、完全ニ負ケフラグ振りマクラれていた気がしたのですガ・・」
テレビ画面の「4-1」でスカーレット折口快勝を称えるゲーム画面を横目に
していると土下寝状態(手足をビーンと伸ばして突っ伏している様)のヒメが一言
「最初に言ったでしょ・・そもそも能力差が違い過ぎるって・・」
当時常に上位争いをし、スカーレット折口からも海外へ移籍した選手がいるほど選手層が厚いチームだった一方、佐渡間は常に下位争いで選手層も薄々だったのでそもそも基礎性能の差がゲームの上手いヒメでも後半ゲーム慣れしてきたパンテールに追いつけなかったのだ。
「マ・・マアハンデをモラいましたから勝テテトーゼンなのデスよ」
ヒメに日本へ来て初めて気を遣うパンテール
「本当は?」
「後半ニ奥義ツカワレタケド、ゼンゼン大丈夫ダナってオモッテタ」
「くっっ!!なんて強いチームなのスカーレット折口!!」
うつ伏せから仰向けに反転し、手足をジタバタさせながら元所有していたクラブチームを褒めるヒメを正座しながら見ていたパンテールが一言
「ドウシテ、手放シタのデスカ?スカーレット?」
シンプルな疑問を投げかけるパンテール
動きが止まり、また反転しうつ伏せになりながら
「・・・・そもそも9人サッカーが流行らなかった・・」
それはそうだ。サッカーは11人でやるものだからな・・と思ったけど半泣きのヒメを見ているとその言葉を噤んだ。
「パンテール!!」
突然大声で叫び!間髪入れずに一言!
「また遊びましょう!!次は絶対負けないからね!!」
あっけにとられてしまったパンテール。しかし直ぐに切り返した満天の笑顔で
「ハイ!!またツギもマケナイですカラネ!!」
二人は周りの大人数の大人たちが数時間前から帰宅待機をしていることなどつゆ知らず最後にはお互い笑顔で握手し、今回の姉妹都市連合会の接見は終了した。