みうらにっき
三浦先輩の1人妄想ライブはいつも盛り上がってる。僕は気になってしょうがない。こんど試験があるというのに、あの池沼は何をやっているんだ。
クッソボロいケースに入ったiPhoneで音楽を聴きながら、玄関で1人ライブをやっているのを僕は知っているんだ。
つい先程まではドラムを担当していた(妄想)はずだが、いつの間にかギターボーカル(妄想)になっている。つんつるてんのジャージで情けないリズムを刻みながら、きっとあの池沼はNONA REEVESの透明ガールを大観衆の前で(妄想)歌っているのだろう。
いつの間にか鈴木先輩も池沼観察をしている。
よし、あの姿を動画に撮って、いつかMAD動画作ってやろう。ニコニコにアップロードしたら、間違いなくあの大物YouTuberよりも有名になる。
一通りライブが終わったのだろうか、アンコールを叫ばれながら(妄想)何食わぬ顔で居間へと戻ってくる。クソ、もっと動画を撮りたかった。次こそは。
鈴木先輩も僕も、何も見てなかったように試験勉強を再開する。
「あっそうだ。おい木村ァ。俺、Tik Tok始めたんだよ。」