第9話 元・賢者の屋敷
俺の目的地にはすぐに着いた。
ここは『迷い霧の森』と呼ばれる深い森の中。そんな場所に何故か家が建ってりまして………俺の家です。
外見はなんか植物に覆われており、完全にホラーハウスと化してますし、俺が死んでから結構経った今でもこの家が壊れていないのは修理がされたからだろう。結構修理された跡もあるし。
ちなみに、この家は二階建てで部屋は一階が生産系等の研究室で、二階は寝室等になっている。
ここの家の家具は全て俺のオリジナル作品兼地球の技術丸パクリなものばっかです。はい。
まあベッドとかは本当にオリジナルだから。
パクったの建築技術だけだから。許してくれ?
そして話が逸れたが、俺は一階の生産系等の研究室の部屋を通り越し、一番奥の部屋――目的の部屋のドアの前に着いた。
この部屋には、この部屋の主には、挨拶として来なければ行けなかったからな。
俺は思いきって、懐かしい気持ちを込めて、この部屋へと続く扉を開けた。
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ドアの向こう側は違う次元の部屋となっており、青空が普通に広がっていた。
俺が居たときは、農園と牧場があり、自給自足ができていた。
そんな景色は、今も、今でも広がっている。
また、俺はこの場所を昼寝するときにも使っていたので、また寝たいと思っていたのだ。
しかし、今回は昼寝をしに来た訳ではない。
ここは俺の家だった所。
当然、地球の技術を使った物が多くある。
しかも、現在では失われた技術も使っている。
目的の物もそのような物の1つだ。
俺は少しその目的の物を探した。
探し始めて数時間後、俺は昼寝をしてしまっていた。
え? 室内で昼寝するな? いやいや仕方がないだろう? ここは俺が創った空間だから日光があってな、きちんと昼夜あるんだけど、いつも最高の日射しが来てな? その日差しが丁度いいんだ。
だが………昼寝をしてしまったのは反省しよう。しかし寝る前と少しだけ頭の感触がおかしい気がする。
何故か頭は芝の上にあるはずなのに、それ以外の柔らかい感触が頭にあるのだ。
俺はそれの正体を確かめるべく、目をあけた。
するとそこには昔、此処に住んでいる時、よく見た、顔馴染みの顔があった。
「お久しぶりです。主様」
俺は声の主――魔導人形のライアを見て、心の中で安心していた。
まだ無事でいてくれて、まだ稼働してくれていて。
これが、今回の目的の物。こいつに地球の技術は使われていないが、オーバーテクノロジーな人形なのだ。