第75話 ダンジョンの中に…………
勇者組と合流した俺達は、『マスター権限』でダンジョンの最下層――俺が居なければ入れない『管理区域』に入る。
ここは『管理区域』と称されているが、現在は『国』として使わせてもらっている。
………『管理区域』と名前をつけた先代ダンジョンマスターさん……すまん。
『管理区域』には『権限』によって一瞬で到着した。
いやぁ、楽だ。
「さて、着いた。ようこそ、光のない月の国『アノンモース王国』へ」
ここは『管理区域』の入口にして、『王国』への入口。
俺に許可されたものしか入れない『聖域』でもある。
ここからでも、少しだけ王国は見える。
ダンジョンの発達によって『王国』も発展していくので、凄いことになってる事がわかるよ。
予想だけど。
「………何この大きさ。こんな国みたことないよ」
「俺もだ……凄い広さだな」
「私もよ」
「わ、私もないです」
皆さん『王国』の大きさに驚いているらしい。
まあ、もっと驚いてもらわなきゃな。
何たってここは『王国』。
国王がいるはずだろ? 一体どんな王様なんだろうな?
「それじゃ、王様に会いに行こうぜ?」
『はい?』
全員が首を傾げる。
そりゃあそうですよね。まだ完全に情報を処理しきれていないのに、新たな衝撃的情報を与えたんですもの。こうなって当然だよな。
「ここからは『権限』使えないし、魔法も限られた場所でしか使えないからな。王城まで徒歩でいくぞ」
ちなみに、このような設定にしたのは、そのときちょうど運動不足だったからで、今設定を変更しないのは、面倒だからである。
「え~、もう歩きたくねぇよ………」
拓哉のその言葉に全員同意。
まあ全員よくやったよ。
拓哉はドラゴンvsを何連戦させたっけな?
園部にはどんどん早くなっていく的を回避しながら討伐する訓練をやらせたっけ。
五十嵐には………まあ回復魔法の修行か。
ハギも魔法耐性が高い敵と戦わせる予定だったのにあの女神の野郎………あ、女だけどね。
そんなこんなで皆が疲弊状態のようなので、面倒だけど『設定』弄るよ。
「………わかった。数秒待ってろ」
設定の変更には時間がかかる。
まあ、かかるのは数秒なので、そこまで遅いということでもないのだがな。
「【――設定・完了】……さて、それじゃあ、転移で行くぞ」
俺はそう言って転移の魔術を展開。
魔方陣の中にいる『生物』を一気に転移させる。
「行くぞ。『転移』」
俺達は、無駄に光輝く魔方陣によって、王城前に転移した。
面白い小説ってありますよね。
読んでいると時間が無くなりますよね………どうでもいいですけど。