表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第二章 学園1年 春~
76/318

第73話 招待

 俺はこんなにも早く『試練』を突破するとは思っていなかった。

 扉が開かれた時、一体何事だ? と思ったくらいには。


「もう…来ちゃったか………」

「ケイ?」


 はいはい俺ですよーっと。

 いや俺戸惑ってるんだけどね? どうしてこんなにも早く………。

 俺は『権限』でダンジョンの『履歴』を遡る。

 この『権限』には、全てを記憶している。

 故に、このダンジョンで何が起こったか全てわかってしまう。


「………そうか、女神に会ったのか」

「?」


 ハギは疑問符を浮かべる。どうやら正体は隠して接触したらしい。

 だが………どうして女神が干渉してきた?

 ………まあ今はいっか。


「それじゃあハギ。とりあえずダンジョンの『試練』突破、おめでとう」


 俺はそう言って、ハギに『報酬』の入った箱を渡す。

 この中には様々な物が──まあ先程上げたものとは違うから。


「この中には──まあ見てからのお楽しみってことで。優勝者へとトロフィーだと思ってくれ」

「………うん。ありがと」


 ………明らかにハギの態度がおかしい。

 何かあの女神様から入れ知恵されてなければいいけど………。


「どうした? 元気がねぇじゃん」

「ううん………何でも無いよ」


 なんか雰囲気変わってね? 真面目感あってとっつきにくいんだけど。

 ………もしかして、怒ってる? なんかしたっけ?


「早かったが………何かあったか?」

「それは………」


 ハギは言葉を濁らせ、視線を逸らす。

 どうやら、雰囲気の変わった原因は女神様にあるらしい。

 ホント一体、あの女神様は何を言ったんだ?


「まあいいや。拓哉達の──って、どうしたホントに?」


 俯いてしまったハギの顔を覗き見る。

 心なしか全身が多少震えているように見えるが………泣いてるようでも怒ってるようでもないって不思議だよなぁ。


「………ねぇ。私達って………やっぱ邪魔なのかな?」

「──『転生者』はってことか?」


 ハギはこくりと頷く。

 邪魔ねぇ………古来より、別世界からの『転生者』によって繁栄してきた世界で『転生者』が邪魔な訳がないのだが………ハギは少々異なるからなぁ。


「………まあ、神様とて気まぐれだ。思い悩んだら一度止まってみな。若者よ」

「ねえ知ってる? 私、前世の歳も合わせたら250歳はいってるんだよ?」

「精神的にゃ、お前は二十歳にもなってねぇよ」


 それに、俺が前世の歳全部合わせたら一万歳は下らないからな?


「もっと世界を知ってみろ。お前の疑問なんて、ちっぽけなモンだぜ?」


 んな生産性のない疑問を抱けるのも、若いからだ。

 大人になると、ホント人間つまらなくなるよなぁ………。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ