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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第二章 学園1年 春~
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第71話 探索 【ハギ視点】

 ケイがどこかに消えた。

 詳しく言えば、洞窟風ダンジョンに一歩足を踏み入れたケイが、雑な一言(おうえん)を残してどこかへ転移した。


「………どうする? ハギさん」


 勇者組の弄られ役兼リーダーのタクヤさんが私に問いかけてくる。なんで私に?


「ま、まあ一応実習終わらせよ? ケイを探すのはその後と言うことで…………」


 ケイの不在は少し不安だ。

 私はタクヤさん達と余り喋った事がない。

 ヒヨリさんとも余り喋ったことはない。ツユさんとは少しだけ。


 ………少し、己の無力感みたいなモノを感じた。

 生活面はケイやライアお姉ちゃんに依存しているし学習面でもケイとライアお姉ちゃんのお陰で置いていかれていないし………一人で何かをするって、難しいな。

 これを気に少し自力で頑張ってみようと思う。


■■■■


 キンッと、剣と剣がぶつかり合う時の金属音がダンジョン内に響く。

 タクヤさんを先頭。最後尾を私にして、黙々とダンジョンの攻略をしていく。

 タクヤさんは壁役も担っている。これははケイからあった助言もあるけど、タクヤさん自らが壁役を行うと言ってやっている。

 タクヤさんは聖剣 (無意味な光を放つ)以外に魔力を込めると固くなる盾を、ケイから貰っている。それはタクヤさんもケイから鬼畜と言える訓練? みたいなモノを受けており、それのおかげで耐久力だけは磨かれているのだとか。

 ケイ曰く、アイツは良いみがわ──盾になる。とのこと。


 ヒヨリさんは魔法と短剣を使った魔法剣と呼ばれる戦い方。

 魔法はケイが教えたので、制御もきちんとできている。

 ヒヨリさんは火属性と光属性が得意らしい。

 ケイが言うには、短剣での戦い方には才があるかも。早期決着型。とのこと。


 ツユさんは魔法による回復と支援を。

 膨大な魔力を持つツユさんは、まだ魔力の制御を完璧には出来ていないらしいが、私からみれば一流の回復魔法使い。

 支援も防御系統の魔法が得意らしい。

 ケイ曰く、コイツは教会とかで聖女やってた方がよくね? とのことで、ツユさんはモンスターが苦手らしい。


 私は魔法による攻撃と支援魔法。

 魔法は火属性と水属性と無属性の三属性のみ。風属性は見えないから連携には不向きだし、土属性も似たような理由で使えない。

 光・闇属性は希少な属性だし魔力の消費が激しいし、私が個人的に苦手ということもあるから使いたくない。

 無属性なら魔力の使用量は気軽に変更できるので支援は行う。

 ちなみに攻撃に細く魔力を凝縮したものを射ったら何故か引かれた。


 疑問に思いながら後ろからくる敵を水属性攻撃魔法の『水切』という水の刃を射出する魔法で倒す。

 ダンジョンのモンスターは不思議な事に、倒せば魔石という物に変わる。

 この魔石になるところを見たタクヤさんが何か言ってたけど、意味が分からなかった。


 こんな感じでダンジョンを進むこと数十分。

 ついに先生のいる場所まで辿り着いた。


「お疲れさまー。貴方達は二番目にここに到着したのよ。おめでとー」


 先生はほんわかした雰囲気で話を続ける。


「そういえば首席君から伝言。そこ真横にある部屋に入れって」

「え? 実習終了後の探索は駄目なんじゃ………」

「大丈夫! Sランク冒険者様の言うだし、上の人も許可はくれたわ!」


 先生は可愛くウインクをしながら言う。

 本当に大丈夫なのかなぁ………。


 私達は少し相談してから、言われた部屋に入った。


 そこは看板が一枚。扉が四枚ある部屋だった。

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