第70話 野外実習の空気じゃない? きっと、いや絶対に精霊神が原因です。
祝70話!
しかし特になにもないです。
「…………よ~し、装備の説明もコレくらいにして、さっさとダンジョン攻略しちまうぞ」
「「「「いやいやいや」」」」
全員の新装備の御披露目&説明を終わらせ、ハギも起きたのでダンジョン攻略に勤しもうとしているのに、何故止める?
「どうした? あ、『転移』で行く?」
俺の言葉に、ハギ達が呆れを通り越して異常者を見る目で見ている気がする。
そんなことを考えていると、代表してハギが俺の前に出てきて言った。
「あのさ、この装備くれるのは嬉しいんだけどさ………」
「? 何か問題でもあるのか?」
なんなんだ? 一体? もしかして気に入らなかったか?
「嫌、そうじゃなくてね………」
「? 言いにくいことか?」
「………うん」
まあ、ここまで歯切れの悪い言い方されちゃあ誰だって分かるよ。
俺の提供した装備が強すぎることは。
「まあ、その装備はオマケだから、魔法の鞄の中にしまっておいていいぞ」
ぶっちゃけその装備は俺の作品だし公の場で使われるよりマシだ。
まあ………なんと言うか………誠に申し訳御座いません?
「うん。まあ、可笑しい機能付きの奴だし、同窓会とかでのネタには使えるから」
「いや、絶対にそんな日はこないと思うわ」
「私は貰ったもの使うけど……性能いいし」
「わ、私もです」
「俺は…………使う」
一同、使用の有無を決めたらしいので、ダンジョン前へ『転移』する。
………何故かって? 森を歩くのが面倒…っていうか、もう森は飽き飽きなんだよ。
■■■■
転移した場所は『ダンジョン』と言われなければ、普通の洞窟と間違えそうな場所──山の麓にある岩肌の出ている場所だった。
まあ分かりづらい上危険だから、一層攻略でクリアなんだろうけど………。
「よし、それじゃあ行くか」
『だから待て』
全員に止められた。
何だよ。そんなに強制転移が嫌だったか?
「………もしかして、森歩きたかった?」
「……私はいいわ」
「私は見たいな」
「私もです………」
「俺はもう転移されるのが嫌だよ……」
う~ん。まあ、森歩きたいって人もいるしなぁ。
それに………魔法に酔うとか拓哉、お前適性高いんじゃね?
「ハギと園部さんは森歩いてここまでくるか?」
俺の質問に「う~ん」と唸る日本人と弟子。
まあ森の散歩の良さは分かるけどな………今はいいや。
「いいえ、帰りは普通に歩いて帰るわ。露もそれでいいよね?」
「うん。大丈夫」
「そうか、それじゃあダンジョン攻略と行きますか」
俺達はダンジョンに入った。
──入った次の瞬間、俺の足元に魔法陣が構築された。
「うわ! なんだ!?」
予想外に、驚いたのは拓哉だけだった。
まあ、いいけど。
「それじゃあ皆──ファイト♪」
その言葉と同時に、俺は洞窟から消えた。
最近ハギを主人公にしたほうがいいのでは? と思い始めました。
いややったらたぶんギャグに転向しますけどねコレ。