第69話 バックの中身はなんじゃろな
サブタイトル考えるの面倒くせぇ
はい、お疲れ様で~す。
ってな訳で、集合場所に戻ってきた俺達、面倒な奴から逃げ切り、休憩。
その時間で俺は、プリントを見る事にした。
そして、その説明も。
「え~と、『目的はダンジョン一層の攻略。ダンジョン一層から二層へ続く扉の前に先生が要るので、話かける。それでクリア。
ダンジョン一層の攻略は好きなだけしてよい。
報告終了後の探索は一層のみとする。
時間制限は無し。』
――まあ、ゴールすりゃあ良いってことだな。あとは………『例外としてSクラスの生徒は魔法の使用を禁止する。しかし、ダンジョン内では使ってもよい』………まあ、これくらいか……よし、行くか」
「え~、ちょっと待てよ」
「どうした?」
俺は『制約魔法』を書き換え、魔力の完全解放。逆に、魔法系スキルを完全に封印した。
そして、封印のリソースをスキル強化に使う。
俺の戦い方は『殺戮剣』を遠隔操作して敵を殺す戦い方なので、今回はそれが出来ない。
今回は森を素手、ダンジョンで『殺戮剣』新機能と新機能とセットで使う新装備の御披露目か。
「俺達は啓の魔法戦を見られないのか?」
「いや、見られるよ。それより、お前らに渡した小さめのバック。中身見てみ?」
「ああ、忘れてた」
転移の魔力で酔った勇者組とハギは完全に忘れていたらしい。
これは結構驚くものを用意した方がよかったか?
「え~と………外見は普通のバック……小物入れにしか見えねぇけど……」
「ネタバレすると、その中にはお前らの新装備が入ってる。もちろん、ハギのやつにも入ってるから」
そう言うと、皆さん「え!?」って反応をした。
まあ、そういう反応にもなるよなぁ。
「いやいや、こんな小物入れにそんなもの入っているわけ………え?」
小物入れこと魔法の鞄に手を入れていた拓哉がバックの中から一振りのの剣を取り出す。
作った俺が言うのもあれだけどさ、うぜぇほど眩しい。
「「「…………」」」
「あの………啓さん? これは………」
鞄から出てきた剣に一同驚きを隠せていない。
サプライズは成功かな?
「それは……まあ、勇者の剣だよ。うん」
「は? いや、ちょっと待って。俺はこの剣使いたくないよ!? やたらと眩しいしさ?」
「それはオンオフ可能だから。意思で」
俺が言うと、拓哉が「オフになれ……」と呟いた。
別に呟かなくてもいいのに………。
「おお……本当に消えた」
「よかったな。それじゃ、拓哉の装備の説明からするから、鞄の中身全て出せ」
俺がそう言うと、素直に中身を全て出した。
「え~とまず、この勇者の剣(笑)は、光属性の上位属性――聖属性が付与されていて、対アンデットの時に使える。それ以外にも、『自動修復』やさっきの『光』も機能の一つだから」
「………なあ、剣の後になにかつけたよな?」
「気のせいだろ? 後はその『軽鎧』な。実は魔力を通すと防御魔法が展開される。壁役にはもってこいの『鎧』だ」
「確かに俺は壁役だよな勇者組の………ありがとうな啓」
……まあ喜んでもらえて何よりだ。
あと普通に勇者組って自分たちのことを言ってるのか………。
「次はハギ。お前の装備だけどな……」
「ん? どうしたの?」
「ちょっと見てみ」
ハギが鞄の中を探る。
……ハギのはやり過ぎな気がするんだよなぁ。
「……え~と………これは?」
「それそれ、それさ『世界樹の枝』を使って作った『杖』なんだけど……」
「ブフッ」
ハギが吹いた。
「どうした? 大丈夫か?」
「うん。さっきの話で異常なことがありすぎてね………」
「? まあいい、続けるぞ。その『杖』に魔力流してみ」
「嫌な予感がするけど…うん」
なんか勇者組がハギに同情的な視線を送っているんだけど。何故かしら?
そんな疑問をよそに、ハギは『杖』に魔力を流す。
すると――
「うわ、何これ! 『杖』が……」
その幻想的な現象に思わず俺も見惚れてしまったが、『杖』から魔力が膨れ上がり、『杖』に花が咲く。
花は見る場所・時間によって色を変える特殊な花で、葉の部分は一切汚れず壊れずという破格な杖だ。
「これはな、『世界樹の杖』の真の姿なんだ。それで魔法を撃つと、効率がいい。まあ、通常の状態でもいいけど。
それと、あと一つ入っているから。ちょっと出してみな」
「……………」
ハギは呆然としており、話を聞いているかわからない。
「お~い。聞こえてるか?」
「………あ、うん……もしかして、もしかしなくても……コレだよね?」
ハギは一つの服を出す。
「あ、うん。それそれ、それは『賢者』の正式な服装なんだけどさ……」
「(くら~り)」
ハギが倒れた。
なんで? 俺、なんかおかしい事言ったか?
「………まあ、次。勇者組のお二人さん。鞄の中の物、全て出しちゃっていいぞ」
「いや、ちょっと待て! 啓! お前、ハギさん倒れていらっしゃいますけど?」
あ~………うん。
俺は少し考える素振りだけをして言う。
「その内起きるだろ」
俺の言葉に、勇者組は呆れ顔になった。
タイトルそのまんまな話でしたとさ。
朝早くの更新ですいません。
ついに次回から野外学習に入ります。
ここまで書くのにどんだけ時間使ってんでしょうね。まったく。