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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第二章 学園1年 春~
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第56話 登校初日からトラブル

 周りからの視線攻撃に耐えながら (拓哉は気にしていなかったというか、わかっていなかった)、俺は自分の席に着く。

 え? 何故学園内でも視線攻撃がくるのかって? そりゃあ、登校中のあの光景をもた人間がいるからだろ。

 ちなみに、拓哉は一切気にしていないが、俺が気にするので、本当に止めてほしい。

 ………いっそ『幻惑魔法』で周りから拓哉を見えない……いや、飛ばしたほうが楽か。


「………なんか、悪寒がしたんだけど」

「さあ? 気のせいだろ」


 ちなみに、拓哉達の席は俺の席と結構離れているので、教室内では話かけて来るまい。

 俺の前にはハギがいるし、ハギのほうが目立つからな。


 そんなわけで、俺達は視線攻撃 (ダメージ負っているのは主に俺)に耐えながら、教室の入口に着いた。

 今更だけど、女性陣も一緒に登校しているんだから、嫌でも目立つか。


 そんなことを考えながら、俺は教室の扉を開けた。

 ――ドンッ


 ………何かにぶつかった。


「ん? どうしたんだ啓? 何かにぶつかる音がしたんだけど」


 俺は足下を見た。

 そこには、一人の少年が倒れていた。

 ……殴り飛ばされたのかな?


「おい、大丈夫か?」

「……だ、だいじょ…ぶ……です」


 顔面に痣は無いので、胴体または足をやられたか。

 少年は無理矢理起き上がろうとする。

 おお、止めろ止めろ。足の場合でも胴体の場合でも力をいれると無駄に痛いから。


「おい、少し安静にしてろ………【回復】(ヒール)


 俺は少年に『回復魔法』を使う。

 これで少しは楽になったろ。


「あ、ありがとう…ございます」

「今日はあんまり激しい運動はするなよ」


 『回復魔法』をかけたといっても、気力等は回復しないので、今日は絶対安静でいてもらいたいな。

 まあ、またアイツ等に絡まれたらおしまいか。


「オイ! 貴様! 何をしているんだ!」


 なんかさっきの少年を苛めていた貴族 (ブタ)が突っかかってきた。

 まあ、このクラスで苛めを行っているって事は、よっぽど頭がいいんだろう。

 この学園、優秀な生徒を纏めておいて、厳しい授業するような場所だし。


「この少年に『回復魔法』を使っただけだが?」


 貴族の3男坊 (印象的に)は、驚いた顔をしていた。

 あ、いつの間にか、ハギ達は自分の席に着いてるし。


「な、なにを言っている! あれは『回復魔法』などではないだろう!」


 ……コイツ、何を言っているの?

 バカなの? あれが『回復』以外のなんなの?


 俺も本気で怒ることがあるんだからな?

 

「………俺はただ『回復魔法』を使っただけだ……もう良いだろ。そこを退いてくれ」


 はっきり言わせて頂きますね。

 コイツ、すっっっごく邪魔。

 面倒だから『威圧』で気絶させようかな? 嫌、駄目だ。問題になる。

 ってな訳で、気絶一歩手前の『威圧』をかける。


「す、すまない。さっきの事は忘れてくれ………」

「………」


 貴族の三男坊は、逃げるように自分の席に着席した。

 やっぱ自制心って大事だね。


「ふぅ~。おい、そこの少年」

「………え!? あ、はい!」


 どうやら先ほどの光景に驚いていたようだ。

 あと少し怯えている気がする。


「これからは気をつけなよ」

「え? あ、はい。ありがとうございました」


 そう言って、少年は教室から出ていった。

 あ、違うクラスの子だったのか。

 …………………パシリにでも使われてたの? 懐かしい。

 そうして少年が去って行ったのを見送った俺は自分の席に着こうとしたのだが……


『………………………』

「………………………」


 ………ちょっと周りからの視線が嫌なので、逃げていいですか?

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