閑話 ライアの1日
………何か最近閑話が多い気がする。
私の一日の始まりは早い。
日が昇る前に起床して、主の作った『部屋』で飼っている動物に餌をやり、そして朝食づくりをする。
主は作っている途中で起きてくるが、ハギは日によってぼちぼちだ。
というか主は『睡眠耐性』持っていましたよね? 確か週一で寝れば良いと仰っていたのを記憶しているのですが………。
「おはようライア、ハギはまだ起きてこないのか」
「おはようございます主。ええ、ハギはまだ寝ていると思います」
主とはほぼ毎日このような会話をする。
きっと、学園生活が始まってもずっと同じような会話をするでしょうね。
ハギはお寝坊さんでプレッシャーにとことん弱いですから。
「主、ハギの事が気になるのでしたら、ハギを起こしに行けばいいのでは?」
「? 別にそれを気にしてはいないんだが………試験日の朝があるからな。学園生活が始まってから寝坊をされるのが心配だ」
さらりと師匠バカさを発揮する主に、私はうんざりしながら朝食の準備を進める。
これもいつもの事で、主は毎朝言っているのだ。
「………やっぱりハギの事ではないですか」
「いや、お前もハギの事は気に入っているだろ? それと同じで俺はハギの師匠として心配しているだけだ」
それは分かる。と、言いそうになるが、自分の胸の内に留めておく。
主は『悪意』には敏感だが、『好意』のは鈍感なところがある。
それは主の過去のせいなのか。
主は知らないのかも知れないが、主の過去の異名――『反逆の勇者』と言う名は有名だ。人族なら知らない人はいないくらいに。
私も食料を買いに行くと稀に話を聞く。
しかし、どの話でも『勇者は自ら反逆行為を働き死んだ』という終わり方をしている話ばっかりだった。
語った後は、罵詈雑言の大嵐を浴びせる人もいた。
「おはよー」
「おはよう。今日は少し遅かったな」
「違うもん。ケイが早すぎるだけ」
私達が雑談をしていると、ハギが起きてきた。
ハギはこの部屋に来てまず始めにケイと会話を始める。
私はまあ、気にしていませんが。気にしては、いませんが。
「主、ハギ、朝食ができました」
「おお。よし、食うか」
「うん。あ、ライアお姉ちゃん。おはよー」
「おはようございます。ハギ」
こうして、朝の時間が流れていく。
午前中、私は主の作った『洗濯機』という魔道具で洗濯物を洗って、主の作った晴天の青空しか無い空間に干す。
主が言うには『洗濯に超がつくほど最適な空間』らしい。
確かにここで干すのと外に干すのでは洗濯物の乾く速度も手触りも違う。
ここを作った主には感謝の念もあるくらいだ。
確か再開の日はここで昼寝をしていましたっけ。
そんな事を思い出しながら、私は洗濯をする。
午後は洗濯物を取り込み、洗濯物を全て畳んで収納した後、主に言われた食材を買いに行く。
一応家庭菜園もしているのですが………あれはほぼ全て『餌』で飛んでいきますね今日は魚と黄緑色野菜が安いらしい。
なので、馴染みの店で魚と野菜を買うのだが、
「おう、ライアちゃん! 今日も可憐だねぇ」
「あら、ライアちゃんじゃない。今日も良い品が揃っているわよ」
どこで買おうか迷うのだ。
野菜は八百屋で買うのが一般的だし、私はそうだ。
主が言うには八百屋は鮮度が良いものが揃っているとかなんとか。
八百屋によっては多く割引してくれる所もあるし、新鮮な物もあるので買いたい。
魚も主の言葉があるので、鮮度の良いものが売っている魚屋で買う。
夕食は交代制で、主と私が交互に作る。
今日は私の日だ。
今日の夕食の献立は、主に作り方を教えて貰った『カルボナーラ』というパスタを作る。
少し苦戦する所もあったが、完成。
主には及ばずとも、良いできになっていると思う。
私の内心の不安も知らずに、主達は食べてくれるのだが。
夕食後は全員が風呂に入り終わったら風呂掃除をして、ついでに洗面所も綺麗にする。
これはハギと交代交代でやっている。
それが終わったら就寝。
いくら造られた人形だからと言っても、睡眠は必要だ。
こうして、私の一日は終わっていく
閑話等では無駄話は書きません。
この話は「最近ライアさんメインで出てねぇなぁ……」と思い、適当に書いた話です。
ライアさんは真面目な時は毒吐いたりからかったりしねぇから。
そしてシリヤスの後は結構息苦しいじゃないですか。まあそこまでシリヤスでは無かったんですけど。
基本的に啓といるときはふざけているって事なんですね。
そして未だに明かされないライアさんの戦闘シーンを書きたいけどまだ書けない。
設定はあるんだけどねぇ。いつか戦闘シーンはやるので、楽しみにしててください。