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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第二章 学園1年 春~
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第54話 尋問

チョッとだけアレな表現があります。

ご注意ください。

 俺はさっさと案内を終わらせて、先ほど捕らえた国王と騎士(クズ)達を収監した空間に飛ぶ。

 この空間は時間の流れが自由に設定できる。

 やる気になれば1000倍、1/1000にもできる。なおする気はない。だって面倒だし。

 さて、そんな空間に国王達を凍結させて入れて置いたのだが──。


「おい! ここから出せぇ! 私を誰だと思っておるのだ!」

「そうだ! 王はここから出せ! 私達のみがここに入ればいいだろう!」


 いつの間にか氷も溶けていてすっげー五月蝿い。

 やっぱ側近の兵士は殺しておいてもよかったかもな。けど尊き魂だしなぁ。


 ………そんなわけで、全員の口を無理矢理閉じさせた。

 今も国王達は「ん~! んんー!」と、言葉にならない声を発している。

 ………いい加減ウザったいな。


「【制約:俺からの質問への答以外の発言・発声を禁ず】………始めようか?」


 俺はこの国王達から『無駄な声』を消した。『制約魔法』便利過ぎ。

 俺、シリアスと無駄にぎゃあぎゃあ泣きわめく奴が嫌いなんでね。

 そもそもシリアスシーンは前世で何度も体験してるから飽きてるし。


「さて、最初の質問だ」


 国王を正座させた俺は尋m──質問を開始した。

 べ、別に『尋問』と言おうとした訳じゃないぞ? ホントだぞ?

 それと一緒に魔力を練る。

 俺の魔力の動きとその量を見たのか、国王の顔は青ざめている。

 おぉ、まあそれくらいはわからないと貴族は名乗れんわな。


「はは、お前らを殺したりはしねぇから安心しな」

「………! …………!?」

「だ~か~ら『無駄な発言はできない』って言ってんだろ? ──質問:お前らは何故勇者を呼んだ?」


 とりあえず必要なことを聞いていくことにした。

 ちなみに周りの人達は少し冬眠してます。言い方変えれば氷漬け。

 これは『制約魔法』に『制限』があるからだ。

 実は細かな『制約』を大勢の人物に一気にかけることが出来ない。

 そして系統外属性である『制約魔法』使用よりも、氷属性魔法である『冬眠』のほうが使用する魔力の量も少なくできる。

 野次も飛んでこないし。

 この上記の理由があって、野次──側近さん達には『冬眠』して貰っている。

 ………別に『野次馬』だなんて思ってなかったからな? ホントだぞ?


「………答える気が無いのか?」


 俺は笑いながら更に魔力を練る。

 それを見た国王は、顔をよりいっそう青くしている。

 はよ答えろや。


「…………!」

「オイ、答える気が無いのなら──」


 俺は平べったい『伊豆石』を正座している国王の脚の上に乗せる。

 日本人らしい尋問方法――『石抱』(いしだき)だ。

 まあ十露盤板(そろばんいた)は作ってないけど、石だけでも十分痛いだろ。地面は砂利だからゴツゴツしてるし。


「!? !!!!!」


 国王が声にならない悲鳴をあげる。

 痛いだろうなぁ。俺もやられた時はあまりの痛みに泣いちゃって殴られたなぁ………え? やってることがクズ貴族? まさしくその通りだな。

 それに『やられて嫌なことは他人にやるな』と教わってないからな。箍が外れているという言葉は否定できない。

 ………余談だけど、俺の時は十露盤板もあった。マジで痛かった。


「早く質問に答えろ。さもないと………」


 俺はもう一枚『伊豆石』を取り出す。

 あれ? もう骨がミシミシ音を発て始めた。この程度でそうなるのか? じゃあ拓哉の蹴りはどんだけ弱いんだよ。後で視とこう。

 国王の顔は青ざめる。


「………めぇ……いました……」

「あぁ? 聞こえねーよ。もっと大きな声で言え」

「戦争のために! 召喚しました!」


 よろしい。しかし顔が涙と鼻水で気持ち悪い。

 ………聞きたいことも増えたことだし、次の質問にいこうか。


「戦争とは、どういうことだ?」


 だんだん素直になってきた国王。

 明かされていくのはとことん腐った国と貴族の性根だけって………すげー嫌気がさす。

 それになぁ………。


「嘘はいけないぜ? まさか俺がお前らの事を調べてないと、衝動的にやったと思ってたの? 残念だったなバカにするのもいい加減にしろ? お前のその他の扱いも全て知ってるよ。お前の『裏』もな」

「!?」


 ただの質問。答えても問題に──バレたら問題になるが、バレなければ問題にならない程度の質問。それに嘘をつくとは。

 残念だ。本当に残念だ。

 愚かな国王には『伊豆石』を一枚追加して乗せてあげよう。

 また骨が鳴ってはいけない音で鳴る。


「!?」


 痛いよなぁ。聞きたく無いよなぁ。でも、俺はそれを一時期毎日されていたんだ。

 お陰様で丈夫な脚になったよ。


「まあいいや。それで?」


 大体は知っている情報ではあるが、本人の口から聞きたいものだ。

 答え合わせにもなるし、情報はあくまで情報。

 事実は本人自らの口から聞きたいが………しかし残念。国王は黙りこんでしまっている。


「………オイ、早く答えろよ」

「!?」


 ジェスチャーで「無理」と伝えてくる。

 ………もう一枚追加か?


「!?」


 少し威圧すると、国王は声にならない悲鳴をあげる。

 ………そろそろ限界か。


「オイ、国王。三択だ。『質問』に答えるか。『石』を置かれるか。そして大事な『娘』を無くすか。だ。好きなのを選んでいいぜ?」

「………こ、答える! 答えるから………!」

「うん。よろしい」


 まあ本当の事を言ったからといって石が少なくなる訳ではない。

 それに、まだまだ聞きたいことはある。


■■■■


「も、もうよろしいでしょうか?」


 質問を始めて数時間が経過した。

 現在の被害は国王に石5枚。二人いる娘の長女のほうに『呪い』ということになっている。

 まあ国王も脚の骨がズタズタのぼろぼろなんで、許しちゃろうじゃないか。

 …………コイツ、すぐに妻を殺害してるからあれだし、長女は病弱だけど優秀だからそもそも呪いは個人的にかけたくなかったからかけてないっての──まあ言わないけど。


「うん。お前から必要な『情報』は全部得た。もう必要ないから。家まで送ってやるよ」


 俺は『制約』を完全に解除して、国王を俺の黒い魔力で被う。


「………俺もまだまだ甘いなぁ」


 国王達は魔力に被われた中で、俺の『記憶』を見ている。

 それは、とても辛い記憶。

 それは、忘れていた記憶。忘れていたい記憶。


 ────俺のトラウマだ。


 きっと、これを見た人は人間──いや、他人を信じることが出来なくなる。そんな記憶の数々。

 そして俺の使った『魔法』の一番やらしい所は『その時に味わった痛みさえも再現する』ところだな。


 これを、一時間以上見せてから、俺は国王達を城の前に置いて帰って寝た。

 勿論、質問の記憶は全て消して。


 ──その日は、俺の子供の頃の夢をみた。

 それはこの世界で受けた数々の非道な扱いよりも酷い、そんな『悪夢』だった。

 因果応報って奴かな………とりあえずセーフだよね?

 これはセーフだよね?

 今回は国王尋問回だったのですが………セーフだよね? グロくないよね? 実はこの回はそれで凄く迷った回なのです。

 そして啓が黒い。(作者が言うなという話ではありますが)


 では尋問方法を。

 没ネタも多くあり、最初は『ファラリスの雄牛』にしようって案もあったのですが、まあ当然却下ですよ。


 そんなのやったらもっと長くなってましたよ本文が!


 まあそれ以外にも『鉄の処女(別名:アイアンメイデン)』『苦悩の梨』等々……まあどっさりと案はありました。そりゃそうだグロいもん。めっちゃ描写するもん。

 だから尋問回は始めて (次があるかは未定)って事で少し日本人らしい拷m──尋問『石抱』にしました。

『石抱』の尋問方法はwiki様にありますので、そちらをご確認ください。

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