第50話 同時刻 勇者の勇者救出作戦
祝50話。
王城地下一階
拓哉は石でできた廊下を急いで、しかし足音をたてないように進んでいた。
啓が導きだした地図によれば、拓哉の仲間の勇者が監禁されているのは一番奥の部屋。
拓哉は着実に、その場所に向かっていっていた。
監禁された場所に着いた拓哉は、啓に言われた『作戦』を実行する。
まず、啓の作った魔道具『万能鍵』(啓が適当に名前をつけた)で、扉の鍵を解錠。
この鍵は結構というか、本当に万能だった。
そして、拓哉は中にいる『仲間』を助けた。
仲間の勇者である二人は寝ていた。
運ぶのは面倒そうなので、啓に頼む事にした。
啓とは『作戦』を始める前に相談していた。
啓は言った。『何かあったら『コレ』を使え』と。
拓哉はソレを使った。
すると、拓哉の目の前に魔法陣が現れた。
そして、しばらくすると、魔法陣から『とある人物』が現れた。
「よっ、お疲れ~」
魔法陣から出てきた青年――啓はそれだけ言うと、『勇者』の二人を両脇に抱き抱えて魔法陣に戻った。
「お~い、拓哉? お前も魔法陣に入れ。早く」
啓の言葉に促され、拓哉は魔法陣に入った。
色々聞きたいことがあったが、転移後でいいかとその考えを放置した。
拓哉が魔法陣に入った直後、目を瞑りそうになるほどの魔力光が放たれる。
そして、王城から彼等は消えた。