第43話 入学式(本番)2
『えー、新入生の皆様、わが校の教師が失礼しました………式を続けます――学校長挨拶』
ホントにな。本当に迷惑だったわ。賠償金請求したいくらいだわ。
実際は金なんていらないからいいけどさ。
先生は何をしようと式を続けるらしい。
………………ただ後ろから「離せぇ! ワシは奴と戦いたいのじゃ! 離せえぇぇぇぇぇぇぇ………」と、怨霊の声が聞こえたが、きっと空耳である。いや、絶対に。
しかし、学校長? がステージに上がると、場は静まりかえった。
いや、主に叫び声が聞こえなくなった。
『えー、この度は、『王立スフォット学園』への入学、または進学おめでとう………まあ、最初からうちの教師が暴走したのは予想外でしたが――』
……なんかさ、どんな世界でも校長の話って長いんだね。
ってかやっぱあの暴走は予想外だったんだ。そりゃそうだよなー。
その後、祝辞や来賓の紹介等があった。
そして――
『新入生挨拶、新入生代表『ケイ・クロヤ』!』
………はい?
俺は何も知らないぞ。
何故俺が代表で挨拶をしなきゃならんのだ?
そもそも、聞いていない。
『新入生代表『ケイ・クロヤ』』
「はい」
俺は仕方なくステージに上がった。
一礼してから、適当に挨拶をした。
まあ、つまらない挨拶は割愛。
その後、教師の紹介があった。
さっき俺に襲いかかってきた先生はアディと言う先生らしい。
あんなご老体で頑張るねぇ。
俺ちょっと感動したわ。あんなジジイがこの世にいる事に。
その後、クラスに戻る事になった。
これで学園生活1日目が終了したらしい。
なんとも災難な入学式だったと、俺は心の底から思った。