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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第二章 学園1年 春~
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第41話 入学式直前

「う~、何で起こしてくれないのさ~」


 ハギが文句を言いながら玄関に来た。

 もう、時間的に家を出ないと徒歩では遅刻になりそうな時間である。

 ……行きは『転移』で行くか。

 俺はそう決めて、『転移』の魔法を構築した。


 ハギはあの後、ライアに強制的に制服に着替えさせられた。

 これがライアの最終手段。名前はない。

 まあ俺も反省しないと。

 俺がハギを甘やかしたせいでこうなったようなもんだし。

 ってか魔法で電流ながして目覚めさせる方法もあったじゃん。今さらな事だけど。


「早く行くぞ」


 俺は制服に着替えさせられたハギを転移魔法陣の上に立たせる。

 実はハギに制服着せるのに一番時間がかかっているのだが………まあ今はどうでもいいな。


「え? 何これ?」


 ハギは驚いていたが、俺は無言で魔法陣を起動させた。

 魔方陣はどんどん輝きを強めていく。


「へ? ちょ!? これ、大丈夫な――」


 ハギの文句を無視して、魔法陣は俺達を玄関から学園近くの脇道に転移させた。


■■■■


「う~、びびった~」

「びびったんならもう少し良い反応をくれよ。あと、早く行くぞ」

「え? あ、ちょ、置いて行かないでよ!」


 俺は急いで学園に入っていった。

 ギリギリセーフだった。



 学園の校庭には3つの人だかりがあった。

 まず、初等部のもの。

 ここは、小さい子ども達が多くいたので、すぐにわかった。

 問題なのは、中等部、高等部だ。

 中等部でも、高等部の人並みに大きい人は少なからずいるので、わかり難い。

 まあ、一番端の人だかりが高等部だとは前の説明会で聞いていたが。


 俺達は、高等部の方へ歩いていった。



 正解だった。

 高等部は一番右端だった。

 俺のクラスはAクラスと言う場所らしい。

 そして1年は3階に教室があるらしい。

 ……………めんどくせぇ。

 それも、高等部の教室は、3棟ある建物も一番奥にあると言うね。

 ちなみに、入学式をやる体育館は、その真横にポツンとある。

 一瞬脳裏に『ぼっち』という単語が浮かんだような気がするが、きっと気のせいだ。

 俺は体育館に歩いていった。


 あ、ちなみにハギは俺の後について来ていた。

 まあハギの身長なら中等部の子供も間違えられるかもだからな。

 言わぬが仏ってやつだけど、俺と一緒にいると兄妹だと間違われそうだな。俺達髪の色同じだし。


■■■■


 体育館に入るとまず、受付があった。

 受付に説明の日に貰ったものを見せると、「ご入学おめでとうございます」と言って案内までしてくれた。

 その後、案内に従って体育館に入った。



『これより、第96回王立スフォット学園入学式を会式する』


 急にそんな言葉が聞こえたかと思えば、外部転入以外の生徒が急にビクンッとはねた (ような気がした)。

 顔を見ると、皆怯えの表情が出ていた。


 何を怖がっているのかと、皆が向いている方を見ると、おじさんがこっちに向かって飛び膝蹴りをしてきていた。

 もちろん。迎撃した。


「ぐふぉ」


 おじさんの蹴りを避け、背中 (腰)に肘うちを食らわせた。

 おじさんの腰はバキィ! と良い音をたてていた。

 そういえば、前もこんな倒し方した人がいたような………。


『…………』

「…………」


 体育館に居る者は皆、無言で俺を見ていた。

 俺は無言で見返した。ハギは苦笑――おい、他人のフリするなよ。

 っていうか、この状況なんですか? 被害者ですよ? 俺に注目するの止めてくれませんかねぇ?

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