閑話:ケイの過去話
今回はケイの語られそうに無い過去話をお送りします。
………読まなくても大丈夫だよ? まあ、時間があったら暇潰しに読むくらいの感覚で読んでください。
一番古い記憶とは、いったいどんなモノだろうか。
もし、俺にとって、一番古い記憶を――と言われたら、俺は真っ先にこうに答える。
――親からの暴行と、その痛み。
これは俺の最初の記憶。
積み上げてきた人生を、俺の全てが始まった一生――
幼い頃から、俺は親からの愛情なんて知らなかった。
親がくれるのは痛みと絶望。
何度も何度も、殴られ投げられ蹴られ――嫌になる程だ。
多分、俺が記憶を――意識を持ち始めたのは三歳くらいなので、その時から、虐待はあったのだ。
今でも、十分にトラウマになっている、親の暴力。というか、親というもの自体に軽く恐怖を感じてる。
俺の幼い頃、親は俺が煩いと、よく怒鳴ったり暴行を加えたりして、喋れなくなるまで顔面を重点的に殴っていた。
それでも煩い時は、外に放り出される。
寒い中、俺は布切れ一枚で、夜を過ごした。
幸い、大きな問題にしたくないのか、俺が死ぬことは無かったが、この頃はまだ天国のようなものだった。
小学校に上がると、学校内でもいじめられるようになった。
今思い返すと、その前――保育園幼稚園の時代から、そのようなモノは少しはあった。
ただ、それが爆発しただけだ。
まず、学校へ登校すれば、下駄箱から自分の上履きが無くなっており、仕方なく来賓用スリッパで教室に行けば、「やーいアイツ、上履き忘れてやんの」「気持ち悪い」「へなちょこモヤシが、死んじまえ」「わー、すごくかわいそー」
様々な罵詈雑言と侮蔑の視線が、俺を迎えてくれる。
勿論俺は一般的な顔立ちだと自負しているし、他人に悪くした覚えもない。
ただ感情的に、彼らは俺を潰そうとする。
何度も何度も罵詈雑言を浴びせられ、高学年になると、暴行も加わった。
助けてくれる奴なんて誰もいなかった。
全部が、罠だった。
そして家の方の虐待も深刻になっていった。
まず、俺が視界に入っただけで殴られる。
そして痛みで声を出すと、腹を蹴られる。
まだ煩いと………ね?
そしてお決まりの罵詈雑言。
何度も何度も、俺は死にたいと、この頃から思い始めていた。
しかし、コイツらの言いなりになるのは癪に障るので、全力で嫌がらせ――もとい学校行ってやった。
いじめには笑顔で対応したし、悪戯なんて一切気にしなかった。
最後には、悪戯しかできないなんて………とか思いながら内心笑っていた。
そんな客観的な考えや思考は、中学入学と共に無くなった。
中学では、そのいじめがさらに悪化した。
小学校の頃からの悪戯と、ノートを燃されたり机を捨てられたり――数えあげればキリがない。
それでも俺は勉強して、学年ではいい順位に入っていた。
それに勉強に集中している人間は、いじめてこなかったのも救いだった。
その頃には、家での虐待も『残虐性』が増してきた。
どこから持ってきたのかわからない拷問・尋問器具の数々………今でも肉を抉られる感触は残っている。
よく死ななかったな。と、今は思える。
そして、高校生。
俺は難関高校に無事に入ることができ、勉強に熱心に取り組める――ハズだった。
学校内でのいじめが無理だからと、俺は等下校中に狙われた。
金属バットで腹にフルスイングされたこともあった。
暴行、カツアゲ、パシリ――終いには、傲慢でバカな奴に勉強を教えた。
俺は卒業後、すぐに就職して、金を稼いだ。
仲良くしてくれる友人もいたし、この頃は家との距離も取れている。
アパートで一人暮らしをしていた。
もちろん、昔から根付いた「死にたい」って感情はそのままだったけど、なんとか28まで踏みとどまった。
だけど、それが限界だった。
俺には誰も味方なんていない。いなかった。
俺は何も知らなかった。愛なんて言葉、中学の授業で習って初め知った。
全てを、どう捉えても、最悪な人生――この後の人生でも、この時の性格が根付き、誰とも対話なんて出来なかった。
………いや、本当に気軽な話にしようと思ってはいたんですよ。
でも、ケイの過去の話で気軽な話は……まあ、あるっちゃあありますがね?
それでも数話、しかも数百文字位しかないけど。
そもそもケイという青年はこういう設定だったなぁ。ってのを思い出しました。
ケイの初期設定は卑屈・人見知り・壮絶な過去(大半悪い事)だし。
今思うとなんでそんな主人公を書いたのか。謎だなぁ。
現在の設定は人見知り (微小)・人間苦手 (というか嫌い)・壮絶な過去だし。壮絶な過去は変わらんし。
でも、ケイは暗い話の方が書きやすいんですよ。
そもそもの設定的にも暗い青年なんで。
これ以上伸ばすとキャラクター紹介を投稿するのが面倒になるので、弁解やめます。
数刻後、キャラクター紹介を投稿します!