第36話 儀式
俺達は『村』の中心――魔法陣のある広場に来ていた。
魔法陣は広場の中心にあり、今も淡く光っている。
まあ未だに生きている魔方陣だ。
「さて、始めますか」
俺は魔法陣の前に行き、魔法陣に右手をあてた。
そしてまず、魔法陣を綺麗に消していく。
この時、俺は精霊達に呼び掛けて、俺の作った簡易型魔法陣から周辺の霧に魔力を送らせている。
先程『精霊眼』を使っていたのは、それが理由だ。
さて、魔法陣を消して再構築 (改造)の準備は出来た。
想像も出来ている。
さあ、始めよう。
魔法陣再構築を。
■■■■
魔法陣構築は、問題なく終わった。
っていうか、一瞬で終わった。
周りを見ると、大勢の『吸血鬼』がポカンと口を開けていた。
――正直、俺もびっくりだわ。一瞬で終わるとは思ってなかったし。
それでも最近はこんな術使ってなかったから、自分的に手応えを感じていたんだけど。
俺は自分でもびっくりしながら、完成した魔法陣を見る。
先程の魔法陣より式は複雑化しているが、一切魔法陣の大きさは変わっていない。
……魔法陣改造は成功したようだ。
「……おい、キナガ長老よ、もう『儀式』はしていいかい?」
「………あ、ああ、かまわぬのだが……この魔法陣について説明はしてくれんか?」
俺はキナガ長老に話し掛け、『儀式』の許可をとった。
説明は『儀式』をしながら行うので問題ない。
俺はハギを手招きし、魔法陣の中心に立たせた。
「さて………それじゃあ、これから『魔法陣』について説明する」
俺は説明を開始した。
「――ってな訳だ。何か質問は?」
数分後、『魔法陣』の新機能等をいっきに説明した。
主に、『魔法陣』の自動化と『儀式』についての説明だったので、早く終わった。
「………特にないみたいだな。それじゃあ、『儀式』を開始しよう。……ハギ、魔法陣に魔力を少し注げ」
俺は質問がない事を確認して、『儀式』を開始した。
今回の改造で、『儀式』を2つに分けた。
その1つが、今行われている『儀式』……正式名称どうしよう? まあ、適当に『吸血副作用操作教授』でいっか。
これは、その名の通り、『吸血』の副作用――『快感』を操作する術を教える魔法陣だ。
これを習得できれば、相手に快感を与えずに(快感の代わりに痛みが生じる)血を飲む事ができるようになる。
まあ、習得できればの話だがな。
得意不得意は人それぞれ……吸血鬼それぞれなので、絶対に習得できるわけでもない。
それが、この魔法陣の機能だ。
もうひとつは……まあ、お楽しみにって事で。
………明日も投稿する……かも?