第28話 精霊、○○になる。3
「俺の血、ハギが吸っても大丈夫?」
俺の質問に、女神は少し考えてから答えを言った。
ハギは『吸血鬼』だからな。たまには血を吸わないと。
『え~と、ハギってあの娘よね……確か前世が魔王――』
「ああ、魔王の娘だ。それも『転生者』の」
『あー、うん知ってる』
畜生知ってたか。
俺はそう思いながら、女神から質問の返答を待つ。
『たぶん、大丈夫よ。ただ、アンタと同じ『神』になるかもしれないわね』
「へ~……じゃあ、別に飲んでも害はない?」
『ええ、大丈夫よ……。ホント、親バカになったわねぇ』
「ハギは俺にとっての『幸せ』だからな。あの世界で唯一の」
『……そうね、あなたは見つけたのね。一緒に転生させて正解だったみたいね。それじゃあ、始めましょうか。一応、絶対に害の無い血をあげるわ』
「ちょっと待てい。何か聞こえたぞ」
『何でもないわ。早く始めるわよ』
何事も無かったかのように言ったので危うくスルーしそうになったが、もしかしてハギの『転生』には女神も関わっているのか?
それと、始める? 一体何…あ!
「あ~………完全に忘れてた」
『アンタ……私が覚えてなかったらどうするつもりよ………』
仕方ないじゃない。忘れていたんだもの。
その後、女神に『霊体』を混ぜられ、少々説明を聞き、夢は途切れた。
夢から覚めた時にはもう真夜中になっていたので俺は、適当な食事を食ってさっさと寝た。
今回短いのは前回長かったので許してください。