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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第271話 第二学年三学期9

「は、ハギさんと付き合い始めただとぉぉぉぉ!」


 拓哉の男性にしては高い声が放課後の教室に響いた。近辺にいた生徒が耳を抑えて悶え始めたことから相当な声量だったのだろうと思われるが、俺はこんな反応が返ってくるとわかっていたため自分の指を耳に突っ込むことで被害を免れた。


「うるせー!」「ちょっとタクヤ様! もう少し静かにできないんですの!?」「耳がキーンて……」「おい! 誰か救護頼む!」

「ハ、ハイ。スイマセンデシタ……」

「……」


 すっかり縮こまった拓哉だが、次の瞬間には何事もなかったかのようにゲンド〇ポーズをとった。


「──で、何時からだ?」

「今日の朝」

「朝!?」

『うるさい!』

「スミマセン……」


 多方から一斉に怒鳴られて拓哉はまた委縮する。懲りないなぁ……。


「……マジ?」

「なんで嘘言う必要があるんだよ」

「童貞の意地とか?」

「全世界の童貞に謝れ」


 失礼にも程がある。

 というかどんな意地だよ。


「けどマジで意外だわ。まさか啓がオッケー出すとは……」

「俺から告ったって発想はないのか」

「逆になんで啓が告るなんて発想になるんだよ」

「……嫌な信頼を持ったもんだ」

「それ信頼じゃないような気がするけど……」


 そう言って会話に入ってきたのは、話の中心人物であるハギだ。

 ハギはさっき、五十嵐と園部に連れられてどっかに行っていたが……。


「用事は済んだのか?」

「あれだけ大声で喧伝されれば用事も何もないってヒヨリちゃんが言ってた」

「──ってことは俺達の交際について他クラスの奴らにまで知れ渡ったってことか」

「……」


 あ、顔背けやがったコイツ。

 そんな拓哉をフォローするように、ハギと共に帰ってきていた園部が口を開いた。


「それで、ハギちゃんの告白ってどんなだったの?」

「ああ、確か――」

「止めて言わないで恥ずかしいから……」

「──思い出すと恥ずかしいけど、俺が告白の言葉を言わせたような所もあるからな」

「「ええ!」」


 五十嵐と園部が突然叫ぶ。驚くこと、何かあったか?


「啓さんでも恥ずかしいとか思うことあるんだ……」

「俺、お前らの中でどういう印象になってんの?」


 そんな薄情な奴に見えてたかね……。


「いやお前、そこまで表情に出さないだろ」

「そうか?」

「えー、結構出てると思うけど?」

「啓検定一級に聞くのやめてくんない?」

「んな需要のない検定なくなっちまえ。で、ハギの告白の台詞だよな」

「あのー、ホントに止めてもらいたいんですけど……」


 ハギが涙目で訴えて来る。

 ……正直、同情心とかより先に「可愛い」と思う感情が出てくるし性癖に刺さるんだが。


「……ハギさん。啓は若干泣きかけの女性とかすげー好みだからそれ、逆効果だぞ」

「え……ケイ、そんなこと思ってたの?」

「よし言うのやーめた」

「ごめんハギさんさっきのは嘘だ啓はそんな性癖一切ないぞ!」

「それこそ嘘でしょ……」


 ハギが若干引き気味に言う。

 見れば五十嵐と園部も俺達から少し引いていた。


「啓さんって業が深いね」

「カルマ値は結構高そうだよな」

「こう見えて清廉潔白を自負できるぞ」

「俺的には啓の周りの奴らのが深かった記憶があるな」

「前世で余程の悪さしたんだろ。知らんけど」

「知っとけよ」


 自分のことだろ、と言われてもなぁ。知らないものは知らん。てか輪廻転生とか信じてなかったから興味もなかった。


「それで啓、ハギさんの告白の台詞は?」

「えーっと、『私はケイと同じ時間を過ごしたい。出来るなら、ケイのこれからの時間を全て欲しい……そして、私のこれからの時間を貰ってほしいな』だな」


 俺の周りが途端に静かになった。

 見ればハギは段々と顔が赤くなっていっており、他の三人の視線は俺とハギの顔を何度も往復していた。


「い、一語一句当たってる……」

「そりゃあんだけ印象的な台詞なら嫌でも覚えるにきまってるだろ」


 高そうな時計まで用意してよ……お返し3倍ってもう何あげればいいんだ? 命? そんなレベルだからあの下りは一通り印象に残ってる。


「……うぅ」


 しかしながら覚えていられてのが余程恥ずかしかったらしいハギは俺の背中にグリグリと頭を押し付けてきている。見えないが耳まで真っ赤にしているのは確実だ。


「ハギさんって結構ロマンチックだな。誰かさんに似て」

「誰かさんて誰だよ」

「啓以外いないだろ……てか学校は学業に邁進する場であってイチャつく場所じゃねぇぞ」

「イチャついてねぇだろ……」


 呆れ半分にそう答えると、三人は「無自覚か……」「初日でコレって……」とヒソヒソ声で話している。主に拓哉と園部か。聞こえてるからな。バカップル誕生じゃねぇぞ。


「……別に言わなくてよかったのに」

「まあ自慢したくなるくらいには可愛かったからな。許せ」

「──!! うぅ~!」

「は? なんで叩かれてんの俺……ってちょ、痛い痛い。叩くなら肩にしてくれ背中はグーで殴る子に育てた覚えないぞ!」

「その方面、育てられた記憶ないからね!?」


 ごもっともで。

 そんなことでじゃれ合っていたらまた拓哉に「だからイチャつくなよぉ!」と大声で言われて俺とハギは一旦離れた。それでまた拓哉は周りからうるさいと怒鳴られたのだった。

 とってもとっても遅れました。すいませんでした。

 言い訳させてもらうと期末考査が終わって気が抜けててバイトで忙しかったのが理由です……日曜日も投稿するんで許して。

 ところでハギと啓がイチャつける関係にまでやっと漕ぎ着けたわけだけどイチャつけてます?(作中でイチャコラしてんじゃねえよとか言わせといてコレ)あまり恋人同士のイチャイチャとか書いたことないから自身ないわ。まあそれ以前に駄文どうにかしろと言われたらそれまでだけどな!

 次回はホワイトデーです。

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