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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第269話 第二学年三学期7

 付き合い始めたからと言って俺達の生活に何か変化があったかと問われれば、『少なくとも俺からしてみれば何もない』と答える。

 平日の朝であったこともあり、一部始終を聞いていたのであろうライアからは過剰に祝福されたりしたが、まあライアは以前からそれを愚痴っていたこともあり、然程異常ということもない。

 しかし問題はハギにあった──



「そ、それじゃあ行こっか」

「おう」


 登校の準備を終えたハギと共に、いつものように家を出る。

 ここまではいつも通りなのだがハギの声音はいつもより硬く台詞はぎこちない。歩き方だって同じ方の手足が前に出ていて明らかに動揺しているってことが見て取れた。


「……意識しすぎじゃね?」

「なんのことかな!!」


 そういうところだ。

 いつもより高い声で叫んだハギは、それが恥ずかしかったのかマフラーで鼻までを隠す。

 ……まあ耳まで真っ赤に染まっているので意味はないように思えるが。


「耳は寒さからだかね!」

「へいへい」

「その言い方絶対信じてないでしょ」

「信じてる信じてる。それよか行くべ」

「? 何で訛ってるの?」


 お前が訛ったからや……反応を見る限り気づいてないな。

 本当にそれだけ動揺しているということなのだろう。俺は更に言及してみたい気持ちに駆られたりしたが、どうにか自制心が勝利して通学路を進む。


「……こりゃ重症だな」


 動き硬いしいつものように歩調を合わせることもないし……流石に要介護系恋人を置いて行きたくなるみたいな性癖は持ち合わせてないと願いたいから、十中八九動揺している。てか言及しようとせずとも勝手にボロ出しそうな予感しかしない。


 なおハギが先に行って凡そ3分後。拓哉と合流して俺がいないことに気が付いたのか、ハギは猛スピードで戻ってきた。


■■■■


「──ハギさんの様子がおかしいけど、何かあったのか?」

「今に始まったことじゃなかよ」

「今に始まったことだよ! てか何で訛ってんの?」

「気分」

「知ってた」


 登校後、ハギの様子がおかしいと察して勇者こと佐藤拓哉が俺の机の前にやってきた。まあ近場だから椅子ごとなのだが。

 ちなみに耳をすませば、五十嵐と園部は気づいているのか、少し離れたところでハギに祝福の言葉をかけている……そこで耳真っ赤にして微笑んでるの、ホントお前顔に出やすいのな。


「で、実際何があったん?」

「何があったと思う?」

「ラッキースケベとか?」

「お前じゃねぇんだ起きねぇよ」

「自然とディスられたわ……解せねぇ」


 あー、でも記憶にあるような……わざわざ蒸し返すようなことでもないな。ハギにも悪いし。

 不貞腐れた様子の拓哉はハギ達の方へと視線を向ける。


「……なんかありそうなんだよな。もしかしてもうバレンタインチョコを貰ったのか?」

「チョコは貰ってないな」

「ま、ハギさんだからなぁ」

「自然とディスってんだよなぁ」


 まあ否定しないが。

 弟子って師匠に似るものなのな。俺もそうであるだけに何とも言えんのよ。まあ言う気もないけど。

 それから暫く雑談を交わしているとチャイムが鳴った。クラスメイトが自身の席に座る中、俺の後ろの席であるハギは──


「……」

「そう離れられると俺悲しいぞ」

「……これくらいが普通じゃなかったかな」


 これもういじめの領域じゃね?

遅れてすいません……かつ短くてすいません……

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