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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第267話 第二学年三学期5 【ハギ視点】

 ライアお姉ちゃん主導で、私は花言葉や贈呈品の猛勉強を開始した。

 まあ勉強と言っても応接間でお姉ちゃんが選んだ本を読むだけなんだけど。

 それに勉強とは言ってるけど読み物としては面白いし、勉強というより趣味の世界を広げるという意識が強い。これをライアお姉ちゃんは「いいことですね」って言っていたけど……どういうこと?

 取り敢えずケイが普段使っていないものや持っていないものを探しながら本のページをめくっていく。こうして見ていると色々な贈り物があって面白い。お花なんかも贈答品として喜ばれるんだなぁ……なんて思っていたら、薔薇に関する項目を見つけた。


「えーっと……『薔薇は色や数によって意味が変わります』……ケイが贈ってくれた花は5本だったから……」


 私はペラペラとページをめくる。オレンジ色の薔薇……花言葉は『絆』、薔薇を5本贈る意味は……うわ。ズルいなぁ。ズルすぎる。何か私ばかりがヤキモキさせられて腹立つくらいだ。

 こうなったらケイをヤキモキさせられるようなプレゼントをしてやる……そう決心して花のページを飛ばして、装飾品関連のページを一から読み始めた。


 時間も忘れて読み耽っていると、不意に応接間の扉が音を立ててゆっくりと開いた。


「お、勉強熱心……じゃなくて雑学か」

「うん」


 ケイが車椅子を押して入ってきた。そして器用に扉を閉めて私の前の席に座る。


「ケイは体大丈夫なの?」

「卒業までは余裕で持つくらいだよ」

「……そうなんだ」


 笑ってそう言うケイに、私も笑顔で感想を述べた。

 ……上手く笑えてたかな?

 そんな思考を片隅に置き、私は再び本の内容に集中することにした。


「……」

「……」


 沈黙が流れていく。ふと気になってこっそりケイに視線を向ければ、ケイはだるそうに天井を見上げていた。

 私もつられて天井をみるけれど木製の木組みが見えるだけで面白さは見いだせなかった。同時に先程までは熱心に読めた本も注意力が散漫として読めなくなった。それでも読もうとしていると、とある見出しが注意を引いた。

 それにはこう書いてある『時計を贈ることは古来より『時間を共にしたい』という意味が含まれ、そこから転じてこれからも長く付き合っていきたいという意味になる』と。

 それが私には天啓のようにも思えた。時計……確かにケイは着けてない。それをプレゼントすれば、ケイはほぼ毎日着けてくれるだろうから実用的だし、私もケイが私の選んだものを毎日着けてくれることで満足感を覚えるからこれでいいかもしれない。

 そうと決まれば、だ。

 私は本を閉じてライアお姉ちゃんのいるだろう厨房へと向かう。勢いよく閉じたからもしかしたらケイが驚いていたかもだけど、それよりも早くライアお姉ちゃんに言っておきたかった。


「お姉ちゃん!」

「──おや、どうしましたハギ」


 丁度ご飯を作り終わった様子のライアおねえちゃんに、早速報告する。


「私、ケイに時計を贈ることにする!」


 そう言うと、ライアお姉ちゃんは「では週末、二人で色々見に行ってみましょうか」と微笑んで言った。

 Twitterで頭痛いナリ~。今週更新やめていいナリ~? とかふざけて言っていましたが更新です。なにやってんだ私。

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