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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第263話 第二学年三学期

 ハギとのデート以外は別段特記することのない冬休みも終わり、今日から三学期。外の天気は快晴。しかし数分おきに吹く北風は俺達の防寒具を貫通して寒さを伝えてくる。


「……どうして冬は寒いのか」

「拓哉、公転と自転を覚えてるか? それがこの世界でも適用されてんだよ」

「マジかよ異世界もっと頑張れよ」


 それな。

 通学路で合流した拓哉達と雑談しながら学校へと向かう。

 その間も何度か北風は吹き、俺達を無情にも襲い掛かってくる。


「……それにしても今年は寒いね」

「寒いと思うから寒いんだろ」

「根性論なんだよなぁ……まあ一理あるけど」

「冬は火属性の魔法が使いずらいから不便だよねぇ」


 そういう季節だからなぁ……。


「そんなことよりさっさと歩くぞ。マジで寒い。早く暖房がきいた教室で昼まで暖まってたい」

「賛成……けどケイって歩いてないよね?」

「細かいこと気にしてたら禿げるぞ」

「禿げないし。うら若き乙女に何言ってるのさ」

「うら若きって……誰の入れ知恵だよ」


 たぶん五十嵐か園部だと思うが……そう思って振り返れば、二人は首を横に振り、寧ろ「うら若きって何?」と聞いてくる始末だった。

 ……となると残るは拓哉だが。


「え、最近のJKはうら若きとか使わないのか」

「素で驚くなよ……てか俺ら世代なら死語だろ」

「そりゃそうか」

「それで『うら若き』ってどういう意味?」

「知って使えよ……若々しいって意味だ」

「あー、ツユちゃんやヒヨリちゃんみたいな?」

「お前も拓哉も外見だけは若々しいぞ」

「「失礼な」」


 事実だぞ。まあ失礼であることに変わりないが。

 そんな雑談をしていたら校門付近まで来ていた。俺達は会話しながら玄関で靴を履き替え、若干早歩きで教室へと入った。


「……天国ぅ」

「いやぁ魔法技術も捨てたもんじゃないな」

「魔族の国なら更にいい魔道具があるけどねー」

「え、マジ? すごい行きたくなってきた」

「んな時間ねぇだろ」


 お前ら曲がりなりにも『勇者』なんだし。研鑽に励め。

 それを聞いて拓哉は嫌なことを思い出したかのようにため息を吐いた。


「二つの意味でな……はぁ。移動だな」

「始業式、体育館に全校生徒集合……どの世界でも同じなんだね」

「そりゃ文明作った奴が日本人なんだ。似通って当然だろ」

「「「え?」」」


 さて、じゃあ体育館向かうか。


■■■■


「──まあ残り数か月。皆気を抜かないで勉学に励め。以上」


 始業式も終わり、帰りのSHRも先のマツバ教諭の言葉で締めくくられた。後は帰宅するだけとなった今、俺は自分の机にうつ伏せになった。


「あー、疲れた」

「お疲れケイ」

「ハギもな」


 互いに労いあっていると、拓哉が椅子ごと割り込んできた。


「久々の学校って異様に疲れるなぁ」

「けど休み明けに友達の顔見るとちょっとホッとするよね」


 ……わからん。取り敢えずぼっちにはわからぬ感性はさておき、だ。

 いつ頃帰ろうか相談しようとしたとき、マツバ教諭の声が聞こえた。


「ああ、そうだクロヤは後で職員室に来るように」

「──だってよ」

「……しゃあない。ボチボチ行くか」

「手伝おうか?」

「いいよ。呼ばれてるの俺だけだし」


 ついでに運動だ。軽めのな。

 俺は車椅子の車輪を回して教室を出る。案外混みあっているが、まあ問題ない。そう判断して人の波へと入っていった。

巻いてきます。三学期。イベントは……ああ、今年のバレンタインは少し特別にする予定でした。次回はハギ視点かなぁ。

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