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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第257話 第二学年冬季休暇5 【ハギ視点】

 武器種ごとに丁寧に陳列されている棚を見ながらふと思った。

 私、一人で武器屋に入ったの初めてだなって。

 いつも、外出する時は必ずケイが横にいたし、基本単独行動もなかったから常に外では一緒だったと言っても過言ではない。いや過言だけど。

 けれど道具屋に行く時も武器屋に行く時も、ケイと常に一緒だったからか、ついつい何度か横に視線を向けて話し掛けようとしてしまう。


「……悪い癖だよねぇ。これ」


 そう遠くない未来、ケイが死んじゃうというのに、全然ケイ離れは出来そうにない。それでは駄目だとはわかってるけど……うん。無理。

 それでも今だけは、と私は頭を振って意識を武器の陳列棚に戻す。ケイは外で待機中。早く戻りたいけど、こうした経験はあんまりないから、色々な物に目移りしていく。けれども脳裏にはチラチラとケイの顔が過る。


「やっぱり銅製は安いけど重たい……けど軽めな鉄製の武器は高いしなぁ……んー、模擬戦用だと木製だから向かないし……」


 なんてぶつぶつ呟いてみたりもするけど効果はない。店員に怪しまれるだけっていう何とも残念な結果が残った。まあ陳列棚の前で突然首を振ったりしてる奴が何を今さらって感じかもだけど。

 それでも何とか考えて、買うものが決まったので報告がてら外へ。ケイがお金を持っているから貰いに行くのだ……言葉にすると完璧にヒモだよね。私。

 ちょっと気分が下がりながらも武器屋の外に出ると、ちょっと騒がしかった。何だろうと思って人の群がる方へ目を向けるも人が多すぎて見えない。

 そして何より、武器屋さんの出口の近くにいたケイがいなくなっていた。


「……もしかして渦中の人になってたり?」


 そんな馬鹿なこと……ありそうだなぁ。ケイだし。

 騒ぎはしばらくすると落ち着いて、渦中の人物と思わしきおじさんが子供を引っ張って行ったのが見えた。そして木製の車輪が立てる独特な音が耳に入ってきた。


「お、買うものは決まったか。ちょっと待っててな」

「うん……それより何かあったの?」

「スラムのガキの盗みを働いて捕まっただけだよ」

「へぇ」


 まあ、そういうこともあるよね。

 前世でも聞いたことがあったからか、さほど驚きはしなかった。やっぱどの国どの人種でも、そういう人はいるんだなぁ。


「ほい。これで足りそうか?」

「うん。全然大丈夫。買ってくるね!」

「おーう」


 私は再び武器屋へ入り、鉄の長剣と鉄の槍、そしてその他の銅製の武器を買った。

 すんません短めです……次回はハギが吟味&悶々してる最中、外で何があったのかを書く予定。ケイとハギの視点が交互になってきてますね。もう三人称で書いた方が楽なようにも見えてきました。

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