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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第256話 第二学年冬季休暇4

 丸眼鏡が買えてそんなに嬉しかったのか、ハギは先ほど買った丸眼鏡を装着して車椅子を押していく。


「……次はどこ行くんだ?」

「もうお昼にするとかどう?」

「時間的には……まあいい頃合いか」


 雑貨屋で結構時間を食ったらしく、時刻は昼前。雲っていることも相まってそんな時間が経っているとは思いもしなかった。


「どこにする?」

「俺は屋台でも飲食店でも、ハギの行ってみたいところでいいぞ」

「冒険者ギルドとかでも?」

「どこでもいいぞ」

「はーい」


 どこにしようかなぁ……と小声で呟きながらハギは車椅子を押して繁華街を見回る。どこもかしこも人が多い。昼前だから飲食店は特に。

 並ぶのが嫌なのか、ハギは何度も飲食店の近くに来て止まっては唸るを幾らか繰り返している。


「屋台で適当に食うか」

「んー……それでいいや」


 何とも適当な……。

 ハギは本当に飲食店の連なる場所から露店のある通りに移動した。


「何食べるー?」

「ハギは食べたいものないのか」

「ケイの血」

「……」


 飲み物じゃねえか。

 そんな冗談はさておき昼飯。

 屋台は串焼きが多めだ。魚だったり鳥だったり……見てるだけで腹が膨れる。


「肝臓の串焼きでも食うか?」

「私、血を作るより貰った方が効率いいんだよね」

「ライアに言ってくれ。それは」

「んー、最近飲んでないから久々に飲ませてもらお♪」


 ハギは楽しそうに車椅子を押していくが……屋台見てるか? 見てない気がするんだが。


 結局、パン屋でサンドイッチを買って食った。


「──なんかさ、店の味よりお家の味のほうが美味く感じる」

「食いなれた味だからだろ……ただ悪くはないだろ」

「うん。たまにはいいなーって思う」


 確かに。毎日だと体にも悪いし金も無駄にかかるからなぁ。

 サンドイッチを食べきり行動再開。


「次はどこ行くんだ?」

「武器屋」

「……お洒落した奴が行く場所ではないな」


 まあ何処でもいいけれども。

 数分後、ハギと俺は繁華街を抜けて冒険者ギルドに近い少し大きめな武器屋に着いた。


「ところで何を買うんだ?」

「えーっと、近距離武器全般?」

「そりゃあまたどうして……」

「魔術大会でタクヤさんが武器を『錬成』で修復してたの見て、ああいう使い方が出来るなら武器を即席で作ることも出来るんじゃないかなって。その為に武器について知ろうかなーって」

「勉強熱心なこって」


 まあ意欲があるなら良いだろう。

 金の入った袋をハギに渡し、買ってくるように言う。俺は外でのんびり待とう。


「ここの景色は変わらんなぁ……」


 なんて爺臭い台詞を吐きながら。

 夏休みが終わってる……全然休めた気がしないですけど……

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