第26話 精霊、○○になる。
――ハギside――
「――と、言うわけで、主は生身の肉体を入手したのですが、まあそこまで主には必要のない代物ですね」
「………」
「……ハギ、ついていけてますか?」
私は今、ライアお姉ちゃんからケイの適当な説明の補足をしてもらっている。
でも、ライアお姉ちゃんの説明も難しくて、頭が爆発しそうになる。
「ねぇお姉ちゃん、もっと簡単な例えとかないの?」
私がそう言うと「例え、ですか……」と、黙りこんでしまった。
「………そうですね。ハギは吸血鬼ですよね?」
「う、うん。そうだけど?」
数秒後、良い例えが出来たらしく、お姉ちゃんが説明を開始した。
「吸血鬼は血を吸いますよね?」
「うん。吸うよ」
「ですが、『精霊』の血は吸えません。というか精霊に血はありません。何故でしょう?」
お姉ちゃんからの急な問題に私は何故だろう? と思いながら考えた。
精霊になんで血が必要ないのかな? 気になるけど、私の知識だけじゃ答えに辿り着けないかも。
そう思いながら、答えを捻りだそうと必死で考える。
「………あ!」
「…気づきましたか?」
「うん! 分かった! 『精霊』身体が無いし、魔力で出来ているから血がなくていいけど、『人体』には、生きている者には血がいる!」
「まあ…………その通りです。血は魔法の触媒になることもありますが、『精霊』は魔力自体を触媒にしてしまいます。だから、『精霊』は魔力が多いのです………ほぼ魔力の塊ですし。しかし、今の主は『身体』をもっている。……普通ではあり得ないのです」
「……どういうこと?」
私が正解した事が嬉しかったのか、妙に違う事も知ったせいで、疑問が増えた。
「通常の精霊は身体を持ちません。持つ必要もありませんし。
一応例外もいるのですが……あれは怨念とか執念から出来た出来損ないですし。
……つまり、今の主は『人類』でも『精霊』でもないのです。強いて言うならば……『人造精霊』……でしょうか?」
………どうやらケイは、人類卒業をしたらしいけど……血、美味しいかな?
吸血鬼の本能が血を求めている。
最近飲んで無かったからなぁ。
誰かの血、飲みたいなぁ。
「あ、言い忘れていましたが、血を飲むのはよしたほうがいいと思いますよ」
………………ライアお姉ちゃんはエスパーなのかな? 考え読まれちゃった。
駄文なくせに細かく書こうとしてすいません。
本当なんでこんなに小説の1日が終わるの遅いのかしら………。