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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第249話 第二学年二学期 魔術大会9 【ハギ視点】

 ──取り敢えず、優勝したらしい。


 私は先ほどまで行われていた閉会式でケイと共に受け取ったトロフィーを片手に、一人教室へ向かう廊下を歩く。

 その間も、優勝したという実感が湧かず、どうも両手の中にあるトロフィーと証書を手放したい気分になる。

 されど私は優勝した。ケイとの戦いで引き分けて、二人同時優勝という珍しい決着で魔術大会の幕は閉じた。

 ちなみにケイは「用事がある」といってライアお姉ちゃんと一緒に職員室の方に行った。


 疲れきった脚に鞭打って教室にたどり着いた私を待っていたのは、クラスメイトからの称賛の嵐だった。嫌ではなかったけど、とりあえずトロフィーと証書を早急に教卓に置きたくて仕方なかった。


「──そういえばクロヤは?」

「ケイは用事があるーって保険室の方に行ったよ」


 ライアお姉ちゃんの肩を借りながら、だったから怪我人のように言ってもいいよね。もしかしたら帰りのホームルームには来れないんじゃないかってくらいボロボロな状態だったし。

 私の説明にボロボロなケイの姿を思い出したのか、皆が納得して、今日のこの後のことを相談しはじめる。なお私は蚊帳の外な模様。


「……ハギさん。ちょっといいか?」


 そう丁寧に話しかけてきたのはタクヤさんだ。後ろにはどこか不安そうなツユちゃんとヒヨリちゃんがいる。


「……ケイのこと、ですかね?」

「ああ。アイツ、身体強化もナシであんな動きしてたんだろ? 表彰式も辛そうだったし心配なんだよ」


 なんかいつも思うけど、タクヤさんって結構残念な人だよなって。優しいのに運がないというか……言い方が悪いけど『典型的な馬鹿を見る正直者』的な? だから勇者に選ばれたんだろうとは納得いくけど何か……うん。残念な星のもとに生まれたよなって。


「ライアお姉ちゃんもついてますし、明日には元気な姿を見せるはずですよ」

「そ、そうだな。啓だしそうだろ」


 後ろの二人も納得したのか、されど心配そうなのは三人とも変わらないけれど、マツバ先生が教室に入ってきたから自分の席に戻る。まあ近くだから戻るというかそのまま座るが適当かもだけど。


 その後にあったホームルームでも、家に帰っても、ケイの姿は見れなかった。心配だけれど、ライアお姉ちゃんは「心配いらない」といっているから信じて、私は明日に備えて眠りについた。


■■■■


 目覚めは悪い方だという自覚はある。それは私の種族特性上仕方ないこととはケイからもライアお姉ちゃんからも言われてて知ってるし、どれだけ生活を改善しても治りそうにない癖のようなものと折り合いはつけて、出来るだけ早寝早起きをすることを心掛けている。

 しかし、それでも寝坊してしまう日はある。今日がそれだった。日差しが眩しいなー、なんて暖気に思った次の瞬間には覚醒したけれど確実に寝坊。誰も起こさなかったのかな……。

 なんて思いながら寝巻きから制服に着替え、魔法で寝癖を整えて部屋を出る。

 ライアお姉ちゃんもケイも起こしにこないから、まだ時間に余裕があるのはわかるけれど、もう二人とも起きてると考えると自然と足取りは軽くなる気がする。


「おはようケイ、ライアお姉ちゃ……ん?」


 半ば居間と化している応接室の机にはライアお姉ちゃんの作った朝食が一人分だけ置いてある。いつもならケイと一緒に食べるから二人分あるはずなのに……。


「おはようございます。ハギ」

「おはよう。よく眠れたか?」

「う、うん……」


 いつもの朝御飯で、日常の光景……なのに違和感を覚える。

 その違和感の理由は割とすぐに見つかった。


「ケイ、それ……」

「? ああ、気にするな」


 ヘラヘラと笑ってそう言うケイだけれど、それは無理な話だろう。何せケイの表情はとてもやつれていて、そしてケイは車椅子に乗っているのだから。

 私が過去に書きたかったらしいハロウィーンを書くまで──あと1話! 次回でシリアスを終わらせてハロウィーンでシリアスを吹き飛ばすと決めてます (シリアスが続くと死んじゃう星人)。まあ予定なんで上手くいくかは定かでありませんが。

 てかハロウィン書くのはいいけどハギも啓も拓哉くんも年がら年中コスプレしてるやん? やる必要あるん? ってちょっと思ってます。まあだからこそのシリアスブレイカー・ハロウィンなわけですが。季節外れでもあるし。

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