第24話 精霊は、自分の身体に憑依した。
「さ~て、どこの部屋に置いたっけな~」
俺は少し楽しみにしながら、部屋の場所を思いだそうと研究室内を探索している。
「……たしか、ここを右に曲がって、そのあと……ああっ、わかんねぇ!」
…道に迷っています。
「おかしい、確かにここら辺の筈だ。それとも……何か忘れているのか?」
面倒になってきた俺は、少し『魔法』を使うことにした。
「『検索魔法:魔法再創造』」
『魔法再創造』とは、『魔法創造』で創った魔法を改造する魔法だ。
この魔法は、魔法の鍛練中に偶然、『魔法創造』がレベルアップして習得したものだ。
「【『検索魔法』の効果に『物体検索』、『人物検索』を追加』……『再創造・開始】」
……今回、初めてこの魔法を使うのだが、結構魔力を喰うな……。
俺はうまくいったかを調べるため、早速『検索魔法』を使った。
ちなみに、『再創造』は一瞬で終わる。
「……お、おお~。一応、わかるな。……え!? 俺、隠し扉とか作ってたの?」
『検索魔法』の再創造はうまくいったが、そのお陰で、別の疑問が見つかった。
もうやだ。過去の自分のバカ野郎。
俺は隠し扉の位地を見つけ、扉を開けた。
部屋の中は中心に棺が置いてあるだけで、何も無い
「お~、あったあった」
俺はその『棺』を見て、直ぐに周りの魔力反応を探査した。
……『棺』以外特になし。
その事が分かった俺は、『棺』を開け、死体にかけていた『魔法』を解いた。
「ふぅ、久しぶりに見るねぇ。この身体も」
『棺』の中に入っていたのは、俺の死体――身体だ。
俺が死ぬ時、死体を『棺』の中に入れろ と言う命令をライアにしたのは覚えていたが、どこか分からなかった。なので、『検索魔法』で調べてみた結果、ここにあることを知った。
無事、生身の身体に憑依した俺は、『ステータス』を見た。
――――――――――――――――――――
名前:黒谷 啓
種族:精霊?(憑依体)
Lv???
ステータス
生命力:不明
魔力:不明
以下略
――――――――――――――――――――
……うん。ちょっと待って。
…………よし、落ち着こう。まずは現状把握だ。
え~と、まず確か俺は、自分の身体に憑依? というか受肉? しようとしていた。
なんか受肉は生々しいから、憑依でいっか。
話を戻すが、憑依したらLvがおかしい事になっていた。
そして、ステータスは表示されない。っていうか、オール『不明』表示。
……何故こうなった?