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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第225話 第二学年一学期 魔術大会22 【三人称視点】

 今年の魔術大会において一番注目を浴びているのは、二年生の首席と次席──黒谷啓とハギ・スカビオサの二人だろう。

 二人は先日のタッグ戦で生徒会コンビを破り優勝を果たしている。個人戦では、両者共に順調に勝ち進んでおり、ハギは準決勝への切符を手にしている。


「──もとより要監視対象ではあったが、まさかここまでの実力者とはな」

「これは『遠征作戦』の要として勇者と共に運用するのも手ですな」


 そんな二人故にいるのだ。その『力』を欲する者が。

 彼らは──王国の重鎮の少数であるが、影響力の高い貴族にはそれなりにいる。無論、国の為などという母国への忠誠心故などではない。私利私欲を満たしたい彼らの歪んだ願望である。


「ハギ・スカビオサを御するのは容易いことだろう。しかしケイ・クロヤはな………」

「なぁに。金を積めばいい。金で靡かぬ者などおらんからな。なあ学園長?」

「──ああ、そうですな」


 贅肉を豪奢な服で着飾る者達の中で、一人無言でいた『学園長』は黙考する。彼は学園長である前に貴族だ。日々書類仕事に追われているが、この『会合』に呼ばれたとなったら、仕事は中断するしかない。

 正直、彼はこの空気を苦手としている。貴族社会自体に苦手意識を持っていると表現しても過剰ではない。

 このような薄暗い空間で集まることを、悪趣味に思えるくらいには、彼の価値観は少しだけ他人とは異なる。

 なお啓が金で動くかと言えば、学園長的には『否』と答えるだろう。彼は啓がどのような者か知っており、金には困っていないと知っていたのだ。


「『遠征作戦』が卒業後とはいえ、些か早急すぎませんか。こうして集まるのて、時期尚早に思えますが」

「なぁに、この二人がおらんければ、開かなかっただろうよ」

「………」


 学園長は沈黙する。とはいえ普段の二人からしても、『遠征作戦』では使えるとは、学園長もわかっていた。そして二人に集団における協調性がないのも書類として集まる成績を見ているため知っていた。

 誰かが咳払いをする。


「とにかく、これは決定事項だ。二人は主力級の戦果を挙げてくれよう」

「今からが楽しみだよ………では学園長。手配は頼むよ」

「………はい」


 苦虫を噛み潰したような表情を隠しながら学園長は答える。その脳裏には、積み上げられた書類の山の対処と、新たに加わった火種──啓とハギに関する問題が過っており、パンクしそうだった。

 同時刻。そんな学園長の気も知らない、興味もない黒谷啓は、無事に準決勝へと勝ち進んだ。

更新遅れました……時間がない。

けどカクヨムコンの方も順調というか、何とか十万文字以上は投稿しましたし、後数日で二章を終わらせれば……あれ、これ時間的に無理ですね。まあ完結の有無は問われないのに感謝。二月中に終わらせれば問題ないですね。

この作品もそろそろ夏休みにです。冬は夏が恋しい

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