表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
227/318

第224話 第二学年一学期 魔術大会21 【ハギ視点】

「──始め!」


 審判の合図で第二回戦の幕が上がる。私の対戦相手は──ケイの親友のタクヤさん。得意な魔法は『錬成魔法』で、一回戦は剣を用いた持久戦で勝ったのは記憶に新しい。

 まだこの世界に来て数年ほどのタクヤさんと、長い年月を過ごした記憶・戦闘経験を持っている私とでは、私のほうが有利だとは思う。使う魔法の種類の多さも、その内の一つ。

 けれど絶対に勝てるかを問われると『否』と答えざるを得ない。

 私は、自分でいうことでもないけれど、体力はないほうだ。ケイのような人外な力もないし、ライアお姉ちゃんのような冷静さも持っていない。

 だから近づかれたらそれで試合終了五秒前になるし、想定外の攻撃をくらえば、たぶんそれでも詰む。それくらい私の実戦経験──特に対人戦の経験は少ない。

 まず私は、小手調べに風の魔弾を飛ばす。不可視の魔弾は扱いにくいけれど、それでも先制攻撃や奇襲には十二分に使えるからと、ケイも重点的に指導してくれた。しかしその魔弾は、奇しくもタクヤさんの剣に弾かれた。

 二発目、三発目………何度も弾かれてしまい、一歩、また一歩と、近づくことを許してしまう。けれどタクヤさんは風の魔弾にばかり注意を向けるものだから、足下を疎かにしてしまう。


 ──そこに勝機を見た。


 故に私は風の魔弾を撃ち続ける。有り余る魔力の一部を、惜しみ無く魔法に変換していく。

 そして時間が経てば経つほどに、状況的には私が不利に見えてくる。そんな頃、遂にその時が訪れた。


「あ、ヤベっ………」


 グチャリと、重たい泥に足を入れたような音と共に、タクヤさんのそんな呟きが聞こえる。

 そして私の放っていた一発の風の魔弾が、バランスを崩したタクヤさんの剣を吹き飛ばした。


「………チェックメイト?」

「確かに使い所としては合ってるので、そういうのは自信もって言ってください」


 タクヤさんの目の前に剣先を突き付けてそう言ったら、そんな返事が返ってきた。

 そのあとに降参したタクヤさんの様子は、どこか楽しそうであった。


■■■■


「よ、お疲れ様」

「ただいまー………これで後は準決勝と決勝だけかー」

「気が早いっての………てかまだまだ先のことだからな?」


 控え室にて。試合が終わった私は、椅子を二つ並べて横になる。

 あー、もう動きたくないー。


「準決勝進出おめでとさん。俺も頑張ってくるか」

「んー、頑張ってー」


 獣人族の儀式用の衣装を着たケイを見送って、私はだらだらと気を抜く。

 結局、今回は使われなかった魔力………あれが何だったのか、疑問に思いながら。

 明日が休日だと知り歓喜する学生Aです。

 最近はFG○とか東方○ストワードとかに熱中していて執筆が捗っていなかったので、色々な作品の執筆を進められたらなーって。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ