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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
222/318

第219話 第二学年一学期 魔術大会16

『遂に決勝となりました! 魔術大会二日目! この戦いをもって、今日の、そして第一学期魔術大会のトリとしましょう………東コーナーは二学年のダークホースコンビ! たかが首席次席と侮ることなかれ! その実力は本物なクロヤ選手とスカビオサ選手のコンビー!』


 準決勝までとは比べ物にならない熱気と歓声が、俺とハギを出迎える。


「長かったな………」

「うん。もう少しで終わりだね」


 長かった。すげー長かった。もう挫折しようかと思ったけど、マツバ教諭との約束もあるから手を抜けなかった。故に長かった。

 俺とハギは歓声に応えるなんて高度な無理難題をせず、スタート位置に。


『対する西コーナーは、生徒会本部の三年生の実力派コンビ! 万物を塵にかえすと謳われる『神雷』を使う副会長、そして『絶壁』の異名を誇る我らが生徒会長ーーーー!』

「お前ら………っ」


 対戦相手である先輩方も入場してくる………しかし会長、憤ってんな。まあ誰でも、気にしてることを言われればそうだよな。


「オイ後輩くん。同情の視線は止めてくれないか?」

「あ、はいすいません」


 とりあえず泣きそうだったとだけ。



「それでは決勝戦。ようい………始め!」


 審判の合図と共に、俺は剣を横薙ぎに振るい、威力を最低限にした斬撃を飛ばす。


「──『鉄壁』」


 しかし俺の斬撃が届くより早く、鉄の壁が地面から生てきた。斬撃は霧散。しかし鉄の壁にも、多少のダメージは与えられた。


「………鉄魔法、か」

「土魔法の亜種だっけ?」

「応用な。正確には土魔法と錬成魔法の複合」

「へぇ………後でやってみよ」


 んー、まだ亜種系統は早いと思うが………侮りすぎかね? しかし以前から錬成魔法は使えてたわけだし、大丈夫なのか──


「『神雷矢』」


 ──反射的に、ハギを脇で持って大きく回避する。

 雷………風属性か。


「ほほう。『神雷矢』を避けますか」

「こんなひょろひょろでも『眼』は良いんで」


 あんくらいなら。と挑発してみれば、放たれる『神雷矢』とやらの雨。その一撃一撃が、魔力障壁を張っていない魔法師、魔術師にとっての必殺となりうるが………。


「! 全て避けたか………っ」


 先輩は悔しげな表情を浮かべながら、次々と『神雷矢』を生み出しては放ってくる。

 正直鬱陶しいな………。


「対戦相手は彼だけてはないぞ?」

「はぁ!?」


 全身に鉄の鎧を纏った生徒会長が突っ込んでくる。


「つーか先輩方、俺ばっか相手してていいんすか!?」

「ふん。私の『檻』で、暖気に休んでおるわい」


 ほー………視線を向けると、悪戯のバレた餓鬼のような様子でパッと『檻』を崩壊させる。


「貴様を倒してからじっくり──は? 檻がいとも容易く壊されたのだが?」


 唖然とする。生徒会コンビを意に介すこともなく、ハギは「いやー何とも恐ろしい檻だった」と言う。


「あの檻は恐ろしいよケイ。人を駄目にする機能でも備えてるね」

「いや………ただ閉じ込めておくだけのモノなのだが………」


 まさかホントにそんな効果が? と錯覚しかけている会長を無視して、俺はハギに判決を下す。


「有罪」

「そんな!?」

「嘘を吐いてる時点でワンアウト、休んでた時点でツーアウト、何となくウザかったからスリーアウトだ。全く誰に似たのやら」

「理不尽!」


 横暴だと騒ぐハギを唖然と見る生徒会コンビに、一先ず──


「じゃあ、とりあえず第二ラウンドっつーことで、やりなおします?」

「「………だな」」


 ──てなわけで、開始位置に戻り、俺達は決勝第二ラウンドを開始した。

カクヨムコン6に出す作品書くため、もしかしたら次回の更新は遅れるかもです。

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