第218話 第二学年一学期 魔術大会15
「さて、これくらいですかね」
「おおー、髪がさらさらだぁ!」
準決勝が早めに終わり、控え室でだらだらとしているこの頃。
突如ライアが『ハギの髪を梳きに参りました』と飛来し、ハギの髪の毛を艶のある綺麗な髪質に整えているのを横目に、準決勝を見ている。ライアのそれは折檻とも言えるが………正直どちらでもいい。今は次の対戦相手について知りたい。
『さすが現生徒会コンビ! 『城壁』と『神雷』の異名は伊達ではない!』
放送席、そして観客席の賑わいに些か頭が痛くなるが………次の敵は会長副会長コンビ、か。
確かに強い。生徒会長の硬さと副会長の火力………ふーむ面倒。
「あれが次、マスター達の戦う方々ですか?」
「ああ。学生としては強い方の部類の………生徒会とやらの会長と副会長だ」
「この学園、生徒会はなかったはずですが………」
「………部活だよ」
ライアの疑問は最もなものだ。この学園に『生徒会』という機関はない。その分、生徒は生徒自身の為に時間を割ける………というか割かないとこの学園、卒業もとい進級も危うくなる。
この学園は『魔法学園』だ。国語、数学、歴史、外国語の授業に魔法系の授業が多くある。確かに地球とは異なり科学はないが………魔法系の授業は大変なのだ。例えるなら『科学の授業と体育の授業を足して二で割って、常に死と隣り合わせ』──まあそんな感じであるため、本来なら俺らのように毎日だらだらしている学生は少ない。まあ魔法にガチの才能があって、学問においても優秀なら、そう過ごす生徒も少なからずいるのだが………。
「生徒会は成績優秀者が集まって切磋琢磨していく部活──仕事もなければ義務もない。文芸部って言えばわかりやすいな」
「なるほど………研究会、みたいなものですか」
「だな」
研究会………そうだな。その表現がしっくりくる。
ま、上級生であれ、負けるつもりはないが。
「ただ面倒なんだよなぁ………」
「? 何が?」
「手加減。下手に手加減しすぎると負けるし、正直面倒な相手だなぁ」
「あ、じゃあ私メインで!」
「おう。じゃあ俺は後方で観てるわ」
まさかハギが自ら行動するとは………競争意識ってのは己の成長を促すいい刺激だ。まあ変な方向にさえ突っ走らなければ止めなくていいよな。
「………マスター。流石にちょっとやそっとで人の性格は変わらないかと」
「………変わるぞ。ちょっとやそっとと俺達が思っても、当事者にとっては大きいことって可能性もあるんだならな」
そういうものですか。ライアはそう呟き、インタビューを受けている彼らに視線を向けた
戦闘シーンは苦手でおじゃあ! (唐突)
てなわけで来週に引っ張ります。終わりが遠退きましたが知ったこっちゃあない。けど完結まで道筋はあるというね。