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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第217話 第二学年一学期 魔術大会14

 三回戦目──もとい準決勝ともなると、観客席の熱気も凄いものである。フィールドにいる俺達にも、その熱気が伝わってくるように思えるのは何故だろう。


「………何か、プレッシャーから逃げたくなってくるな」

「部活の件が無ければ、私達絶対に逃げてたね」


 入場門を背に二人、歓迎しているこの大歓声に憂鬱としながら、素直な感想を述べ合う。

 若干ながらも人見知りの気がある俺達だ。憂鬱な気分になりかけるのも仕方ないことである。

 というかハギの言う通り、部活の件が無ければ逃げてた。そもそも出場すらしてなかったが。


「よーし、次も強い人と当たりませんよーに」

「ケイより強い人はいないと思う………」


 というか準決勝なのに弱い人いるわけないじゃん……と続いた言葉は聞かなかったことにして、俺は相手と真面目に対峙する。

 一人は『風魔法』の名門、ブリーズ家の令嬢スロカム。

 一人は『火魔法』の名門、フレム家の令嬢プルメリア………か。


「意外だな。貴族同士で手を組むのって」

「そうかな? 二人はとても仲良しだよ?」


 ほーん………魔法の相性的にか? まあ確かになのだが、一つだけ、すげー気になることがある。


「ハギよ。何故二人は顔をひきつらせているんだ?」

「ケイと当たったからじゃない?」

「二人が組んでるからよ………」


 プルメリア嬢がげっそりとした様子でそう呟く。というかスロカム嬢と何かをひそひそと話しているんだが。たまにこちらを真顔で見るのも止めてくんね? 会話の内容からして不穏だから。俺は怪物じゃねえ。


「………では、両者位置に」


 決闘前の礼と握手をして、俺達は開始位置まで下がる。

 ハギは納刀状態の剣の柄に手をかけ、すぐにでも抜ける体勢で。

 俺は正眼の構えで。


「──始めっ!」


 開幕の合図と共に無詠唱の炎と風の初級魔法の雨が降り注ぐ。容赦ねー。

 容赦ない猛攻を、俺は剣を一つ振るい、風圧で魔法を霧散させる。


「相変わらずの化物な止め方ー」

「こんくらいで消える魔法のが駄目なんだって──のっ!」


 二振り目は鋭く二回。紛うことなき本物の『殺気』を込めた一撃を二人の真横に放つ。

 ちなみに当たったら御愁傷様ってことで。

 ハギも「ひえっ」と情けない声を出したような………気のせいだろう。一歩も動かなかった令嬢二人組も、何故か冷や汗が見えそうな雰囲気を醸しだしている。


「「こ、降参で………」」


 震え声で双子のように完璧に一致した言動に、俺は少し感嘆を覚えた。とりあえず、準決勝終わり。

8話ぶりに参上したプルメリア嬢……もう眠い。私寝ます。

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