第201話 第二学年一学期5
個人戦、タッグ戦両方で上位三割に入る──まあハギなら両方可能だろう。
幸い魔術大会なんて銘打ってるだけで、武器の使用は禁止されてないし持参可能だ。まあ魔剣クラスの武器になると使用は制限されるが………あってそれくらいの制限しかない。
故に今の実力を測ろうと、我が家の試験用の空間に剣を数本持ってきたのだが………。
「おー、見渡す限りの草原」
「今から壊れるけどなぁ………」
「荒野になるの間違いじゃないの?」
何とでも言え。
とりあえず実力測定だ。俺は剣を構える。
「とりあえず怖いから離れるわ」
「俺は化物か?」
まあ警戒するに越したことはない。
拓哉とハギがかなーり離れたのを確認して、俺は深呼吸を一つ。
「一年前は空間ごと切り裂いたが………今年はどうか──な!」
「え、ちょっ、聞いてな──」
勢いよく踏み込んで斬る。途中、拓哉が何か叫んだ気がするが聞こえなかった。
ぐわんっと剣を振った時の音とは思えない音と共に空間が割れていく。
「………」
「………」
「………やべっ、空間壊しちゃった」
「………は?」
ついでに剣も消滅した。てか本格的にヤバい。この空間は『修正』の恩恵から外れてるから案外脆いんだよなぁ………俺は二人を両脇にかかえて空間から出る。
振り返れば、そこにはガラスのように砕けていく世界が広がっている。あー、勿体ないことした。
「──さて、後で屋外でやるとしてハギ。隣の部屋で計測な」
「「いや待て待て!」」
俺の計測を終わらせ、何事もなかったかのように進行させようとしたが無理なようだ。そんな気になるか?
「ん? なんだよ………パッパとやっちまおうぜ?」
「さっきのが凄い気になって無理」
「右に同じく」
右に同じくって言われてもなぁ………。
「単に魔法で造った世界がキャパオーバー起こして崩壊しただけだぞ?」
「うん。俺にはわからん」
「うん。ちょっと納得」
ほぅ………ハギよ言ったな?
俺の挑戦的な笑みに答えるように、ハギは言葉を紡ぐ。
「えーっと………さっきの空間は魔法で造られた、所謂『本来は存在しない空間』なんだよね?」
「そうだな」
「で、魔法だから限界はあるし、壊れることもある」
「まあそれに関しては魔法云々関係ないが………それで?」
「え、ちょっとそこで切られるの気になる………ごほん。さっきのは、その限界を超えた攻撃だったんだよね?」
「ん、そゆこと」
少し学び足りない為、理解を得ていない部分もあるようだが、概ねその通り。まあ、合ってるし及第点だろ。
「じゃあ、はよやれ」
「はーい」
ハギの返事を聞き、俺は的を出すため、この空間の『空間精霊』にアクセスした。
眠っっっっむいし病む!めっちゃ──あ、すいません言いませんから許してください。私は誰に許しを請いているんでしょうか。不思議ですね。
そんな『病む!』を短編にしてみました。後で投稿しますからね……お見舞いするぞ! なんちゃって。