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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
202/318

第199話 第二学年一学期3

「──ふむ。まあ面白い同好会を作ったな。クロヤ」

「………」


 放課後の職員室の一角。俺とハギはマツバ教諭から説教擬きを受けていた。


「それならいいでしょう?」

「ああ、同好会としてなら問題ないだろう………」


 マツバ教諭は眉間に皺をよせる。

 しかし同好会に入ったのは確か。別に悪いことをした記憶もない。

 それはハギも同様だろう。


「確かに、問題はない。同好会の内容はしっかりしているし、書類は完璧だ……」


 だがな……だがな! と叫び、書類を自分の机に投げ落とす。


「何が『帰宅同好会』だ! それにこの活動内容……無所属と変わりないからな!?」


 俺たちは同好会を作って、それに属した。

 そう。『部活面倒くせぇ』と本気で思ってる俺たちのための『同好会』。『帰宅同好会』を。


「ですが先生。活動内容もきちんと書いてますし、別にいいじゃないですか」

「……はぁ。とりあえず了承はした。しかし一つくらいまっとうな部活か同好会に入れ」

「はぁ……」


 俺はこの学園の部活に何があったか思い出す。

 魔法研究部A、魔法研究部Z、魔法工学部L、球技部R……どの部活にしろ派閥でわかれて活動していたように思う。


「この学園にまっとうな部活ってありました?」

「………では、これからも学年主席と次席の成績を維持するように」


 俺たちの視線の先には、胃のあたりをさすりながら眉をひそめる教諭がいた。


■■■■


「いやーこれで部活問題は解決っと………」

「うん。後でマツバ先生に胃薬を贈ろう」

「だな」


 俺たちの同好会『帰宅同好会』の活動初日。俺たちはその活動内容を忠実に実行している。

 帰宅しているのだ。

 とはいえこれくらいの時刻に帰っている生徒も幾ばくかはいる。俺たちは全然異色ではないのだ。ただ毎回この時間に帰るだけであり、全然異色じゃない………うん。異色じゃない。

 会話もなく、ただ綺麗な夕日を横目に歩いていると、ハギが「そう言えば──」と呟く。


帰宅同好会(へんなぶかつ)作ったわけだけど、そんなに部活ってひどいの?」

「酷かったろ………一つの魔法理論に傾倒しすぎだし、新しい魔法の分野を開拓する──みたいな向上心もない。あんなのに入るくらいなら、運動部に入ったほうがいいな」


 まあ俺の場合、それだと色々学園に迷惑をかけそうなのだが………。


「へぇ………なんか大変そ」

「お前もこのまま順調にレベルを上げれば行き着く場所だからな?」


 というかそのレベルに到達できるほどの『才能』もあるから、否が応でもこうなるから。と、口には出さず、内心だけで述べておく。

 今からそんなこと知っても、得はしないからなぁ。

二年生編は次回から暴れます。まあ今回も暴れてましたが………個性が (ボソッ)。

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