第2話 転生
100回自殺したら、精霊にされました。第2話です。よろしくお願いします。
「………ったく何なんだあの女神サマはよぉ………ん? ………ここ…………ドコ?」
平原みたいな場所の一本の太い樹の根元で目覚めた俺は、女神サマへの悪態をつきながら自分の姿を確認した。
黒髪に身長170センチと少し、服は………一番最初に死ぬ――自殺した時に着ていた服。
体の色は………うん。見事に真っ白だ。引きこもりの肌じゃん。
「……フム、なんか初めて異世界きた時思い出すな。
──ステータス・オープン」
俺は自分の姿を確認した後、自分のステータスを確認する事にした。
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名前:黒谷啓
種族:精霊
Lv1
ステータス
生命力:SSS
魔力 :SSS
力 :SS
知力 :SSS
敏捷力:SS
運 :SS
スキル
『叡智LvMAX』『魔法創造Lv1』
固有スキル
『身体変化』『体外魔力操作』『魔力変換』『魔力返還』『飛行』『精霊眼』
称号:『転生者』『超越者』『全職業使用者』
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ステータスを見ることができたということは、この世界は俺が何回も転生している世界──『ディファレント』だということだ。っていうかそれよりも、 ……………………何? この固有スキルの数………ん? 年齢の欄がなくないか?
っつうか、種族『精霊』ってなんだよ! 人間に転生して不死身にでもするのかと思ったら、まさかの人ではないだと!? よくよく自分の腕とか見るとうっすら透けてるし!
心の中で女神サマ (自称)に色々ツッコミをいれ、スキルの効果等を確認した俺は、とりあえず現在地を確認する事にした………が、複数の『何か』がこちらの方へ来たのでそこら辺の樹の上――というか目覚めた時に寄りかかっていた樹の枝に跳び乗り、様子を見ることにした。
「(なんだ? この動き。気配が掴みづらいな………。人間じゃないよな……魔物か?)」
俺の近くを横切った『奴等』を、俺も気配は殺しながら、『精霊眼』の能力で追った。
ちなみに『精霊眼』は他者のステータスを覗く『鑑定スキル』と魔法を使うための力の源──魔力を意識せずに見れる。
まあ『鑑定』の場合は相手の目をきちんと視ないといけないけど。
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俺は木から木に何度も飛び移りながら、奴等を追う。
しばらく追うと、彼らは洞窟の近くで止まった。
「(本当に何者なんだ? 気配が掴みずらい。魔導具でも使っているのか? いや、本当に)」
俺は『精霊眼』と『索敵』を使って彼らを視ているが、最初は『索敵』だけを使っていた。
しかし『索敵』だけではつまらない………というか、捕捉しにくいという事で『精霊眼』も使うことにした。
初めて実戦での使用だが、結構使えるな『精霊眼』。
擬似的な『千里眼』と例えるのが適切なそれは、世界を漂う魔力──いわゆる『魔素』がある場所なら、俺自身の魔力を使わずとも、どんなところでも見通せる。
もちろんそれ相応の魔力も必要な場合もあるのだが、それに関しては問題ない。
それに隔たれた場所とかを見るのでなければ、そこまで魔力は消費しないし………お、彼奴等洞窟の中に入っていった。
まさかあそこが奴らのアジトですか? わかりにくいなぁ………。
まあ……これで、奴等が『盗賊』だっていうのは確定ですね。ステータスの職業も『盗賊』だったので確定だな。
じゃあ討伐もOKですよね。
最初から金ゲットか。いらんなぁ。
まあ久しぶりの戦闘かと俺は思いながら、適当に武器を取り繕い、木から降りて彼らが入っていった洞窟に入る事にした。
駄文で本当にすいません。