第192話 第一学年三学期4 【ハギ視点】
ぱっぱっぱらっぱっぱっぱらっぱ ぱっぱっぱらっぱらっぱっぱ♪(・∀・ノ)ノ
はっきり言って、私は料理が苦手だ。
前世も今世も貴族に生まれたから、幼い頃から料理をしたことがないというのも理由の一つだけど、それを抜きにしても私は不器用だった。壊滅的なほどに。
それが露見したのは今先ほど。ライアお姉ちゃん監修のもと簡単な料理を作ってみてわかったのだ。
「………この程度なら、挽回くらいは出来ます」
私の作った料理は、見た目は言わずもかな。味も質素………良く言って『素材の味がする』。悪く言えば『味がない』ものだ。
ライアお姉ちゃんが言うには『スキルなしでここまで出来るようになっていれは上出来』とのことだけど、身近にスキルなしで美味しい料理を作っている師匠もいるから、なんだか喜べなかった。
「マスターのあれは何百、何千年も料理を作っていた結果──要は癖です。ハギはもっと自分を誇っていいんですよ」
なんか納得いかない。けれどどこか納得した。
ケイがあれほどまで素早く、迷いもなく料理を行えるのは、何千年も自分の手で料理をしていたからだと。
「ねぇお姉ちゃん。ケイの話ってもっとあるの?」
「ええ、それはもうどっさり………ですがそれは後で。マスターを喜ばせたいのでしょう?」
そ、そうなんだけど改めて言われると気恥ずかしいなぁ………。
私の考えを見透かしてか、ライアお姉ちゃんはくすりと微笑む。
「大丈夫です。難しいところは私もフォローしますから。さあ、仕上げますよ」
ライアお姉ちゃんはそう言って、冷蔵庫からチョコレートケーキを取り出す。
これに飾り付けをして完成なんだけど………。
「うぅ………飾り付けなんてしたことない」
「私も手伝うから大丈夫ですよ。まずは──」
手取り足取り教えてもらいながら、私は綺麗にケーキをデコレーションしていく。これが案外楽しくて、けれどとても難しい作業だった。
「そう。その調子ですよ──あ、行きすぎましたね」
ライアお姉ちゃんは私がへまをした場所をすぐに直してくれる。
嬉しいけど………うーん。私はお世辞にも料理上手とはいえないから仕方ないとはいえ………むー。
「ふふ、段々とですが板についてきましたね。日に日に腕も上がっていますし………日頃の特訓のお陰でしょうか」
「けど、ケイに勝てる気配はないなぁ」
「アレは別格です。比較対象にしてはいけません」
酷い言われよう………とはいえ否定できる要素はない。事実って時に残酷だよね。
そんな雑談を交わしながら、私は飾り付けを完成させることができた。
【余談 ~その頃の野郎共の会話~】
啓「意地っ張りで~♪ ワガママな~♪ そんな甘い魔法使い♪」
拓哉「スイート○ジックとか懐かしいな」
啓「だよなぁ………いい曲だよ」
拓哉「ああ………(なんだかハギさん連想したけど………まあ口に出す必要もないか)」
啓「そういや、お前は手紙書いたの?」
拓哉「おうともさ」
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当初二人仲良く歌ってることにしようと思ったけどこっちのほうが面白そうだなって思った (小並感)。
個人的にはス○メ☆オト○を推したいのですが…というかTwitterでふざけてたのですが、色々問題が発生するので止めました。自制とも言う。