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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第189話 第一学年三学期

 吐く息が白い。

 昨日の雨が嘘のように晴れ渡っているが、寒いことには変わりない証拠なのだろう。冬の登校は本当に苦である。


「はぁ………寒い」

「言うな。余計寒くなるぞ」


 冬物のコートやマフラー、耳当てや手袋までしてるのにまだ寒いと申すか………良く汗かかないな。


「足から冷えてくー」

「だからってストッキング二枚重ねで履こうとすんなっての………」


 ちなみに靴に指定はないので、ハギはこれまた暑そうなブーツを履いている………いやホント、お前も死体仲間なの? いや寒がってる時点で違うけどさ。


「てかお前ホントに吸血鬼かよ………」

「だって活動してるの日中だし………」


 吸血鬼って何? いやまあ………いいけどさ。

 他愛ない会話をしていると、いつもの拓哉達との合流地点に到着する。すでにいたが。


「よはよう啓! ………とハギさんは厚着だな」

「ようお三方………どうやら日中活動してたから寒さに弱くなったらしい」

「は? わけわからん」


 だよな。

 ハギはいつもよりマイペースな様子で「心外なー」と言っているが………待て。

 俺はハギのおでこに触れる。


「冷たっ!」

「ケイの手あったかーい」

「いつも以上にマイペースじゃん」


 手を離せハギ。園部にからかわれてるぞ。

 ………とりあえず何故ここまで冷たいんだ? ダルそうじゃないから風邪じゃないだろうし………流行り病か?

 そんな俺達を無言で見ていた拓哉が、ポツリと呟いた、


「つーかハギさん吸血鬼なんだよな? 最近『吸血』してるか?」

「「………あ」」


 原因究明した。

 そういやそうだ。最近ライアは忙しかったし、俺もハギもそれは同様だった。

 昨日こそだらだら過ごしていたが………疲れていたんだろうな。全員忘れてた。


「………今日が半日でよかった」

「本当な」


 ただ今日は始業式なんだよな。こいつ早退させたほうがいいんじゃねえの?


■■■■


「私は何やってんのさぁぁぁぁぁぁぁ!」


 吸血終え数分。

 やっと頭の回り出したハギの第一声は叫びだった。

 なお微笑ましげに約五名 (俺含む)が見ているのだが、気づいていないようだ。


「バカなの? バカでしょ! 私何が『ケイの手あったかーい』なのさ! 確かに暖かかったけどさ! 幼児退行してるじゃん!?」


 いやぁ………気づかないなぁ………てかソファーからよく転げ落ちないなハギ。

 ゴロゴロしてるといつか転げ落ちると忠告していいのだろうか?


「というか何で手を掴んでたのさ! 確かに大きくておちつ………く──」


 気持ちの整理もついてきたのか、俺達がいたことも認識しはじめたハギは、こちらを見て固まる。


「………」

「「「「き?」」」」


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 本日二回目となる悲鳴が響き渡った。

吸血鬼だからって腐ってるとかないからね!?

まあ聖水で清められるけど………寒さには本来強いんです。ホントホント。知恵袋にあるから見てみよう!

(※ちなみに吸血鬼伝承には一部に今後のネタバレに繋がる部分もあるので、wi○iを見る方は妄想をお楽しみください)

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