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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第187話 第一学年冬期休暇15

 小鳥のさえずりが聞こえるくらい、静かな空間。

 緑の中にある小さな社の目の前で俺達は、着物を着て初詣を行っていた。


「………はぁ」

「拓哉………お前も拝んどけ」

「あぁ………」


 やつれた顔をしている友人に、そっと声をかける。

 心なしか顔色も悪いな………。

 なお拓哉本人からの証言では「しぼられた」とのこと………とりあえず友人のそういった生々しい事情は知りたくないので触れないことにした。

 カランカランと鈴を鳴らし、二拍ほど手を叩く音が小さく響く。


「………」


 十秒が経った。

 俺達は基本的に十秒くらいで祈るのを止めていたのだが、拓哉はまだまだ祈っている。


「………」


 二十秒が経った。

 まだまだ拓哉は拝んでいる。


「………」


 三十秒が経っt──「そろそろ止めろこの、ぼんくら!」──とうとした時、園部が静寂を突き破り、大声で叫びながら拓哉にタックルをくらわす。


「日由ちゃん!?」

「露、止めないで! そもそも拓哉が──」


 危機感に駆られた俺は咄嗟に両耳に人差し指で蓋をした。

 ついでに『難聴』スキルも発動して………あーあーあー、俺は何も聞いてないし見てない。

 目をぎゅっと閉じてただただ待つ。

 現在、園部が拓哉の胸ぐらを掴んで揺らしている模様。それを止めようとしてる五十嵐は本物の勇者だね。

 ………あー、友人の生々しい話とか早く終わんねぇかなぁ。

 などと思いながらひたすらに念じていると、右の振りを二回ほど引っ張られた。

 言うまでもない。ハギである。

 俺は極力拓哉達を見ないようにかつ聞かないように目を開け指を耳から外す。


「ねぇ、あの二人は何で言い争ってるの?」

「言い争いに発展してたかぁ………知らね。夫婦喧嘩じゃね?」

「「夫婦ではない!」」


 息ピッタリじゃん。

 結婚したらいい家庭築けるんじゃね? 知らないけど。


「というか、だ! 俺はそもそも悪くないからな!? 全て啓から始まってるじゃん!」

「「「「確かに」」」」


 全員が俺に視線を向ける。

 しかしなぁ………。


「よかったな拓哉。玉の輿じゃん」

「うるせぇ責任とれ!」


 今度は拓哉が、俺の胸ぐらをつかむ。

 おー、視界が揺れるなぁ。


「お前わかるか? 何度ヤっても『まだまだイケますわ………』とか言って襲いかかってくるんだぞ!? すげー怖いからな!?」

「えーと………まあ椅子とかよく確認してから座れな?」

「何その忠告!? 怖!? リアル人○椅子とか洒落になんねぇしリアリティあるから否定できねぇ!?」


 いや本気でやる奴いるからなぁ………チラリと隣を見ると、頭の上に疑問符を浮かべているハギがいた。お前、前世だと結構はっちゃけてたよな。



 てか新年早々、俺達は神聖な場所で何の話してんの………?

拓哉が意気消沈していた理由を大雑把に書くと…

『拓哉の正妻の性欲が強すぎて終始リードされっぱなしで男のちっぽけなプライドを踏みにじられて搾られた』…かな? 友人のそういう事情については知りたいと思わないよね。


あ、新作として『Various World Online』の投稿を始めました。VRゲームモノですね………序盤は全然VRゲームしてませんけど (笑)。いや笑えないなこれ。

毎朝七時に投稿されてます。よろしくお願いします。

URL:https://ncode.syosetu.com/n5620gi/

更に新作では民間伝承とかも募集中です。地域は問わないので感想欄などで概要を教えていただけると幸いです。新作の二章以降で使われます。

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