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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第182話 第一学年冬期休暇10

 昼食後もハギと共に王都を散策して時間を潰し、夕刻になったので帰宅。

 途中、雑貨屋とかで拓哉に言われた………エスコート術? とやらをしたらハギがおかしくなったりしたが………やっぱ臭かったか? 自分でも慣れないことやってる自覚はあったけどさ。


「ただいまーっと、五十嵐と園部は帰ってたのか」

「おかえりー。拓哉は正妻のところ」


 あー、そういやアイツ、朝「性夜は回避されたぜ………」とか呟いてたなぁ………。


「おかえりハギちゃん。デート………ごほん。散策はどうだった?」

「あ、あの、えと………」


 ハギはハギで何故か困惑してる。

 ………というかあれ、やはりデートと呼ばれる類いのやつだったのな。

 ………え?


「すまん。先部屋戻るわ」

「んー、何かライアさんが呼んでたよ?」

「着替えたら行くって伝えておいてくれ」


 俺はさっさと自室に向かう。

 熱を帯びた顔を隠すように。


■■■■


「──ふぅ」


 部屋着に着替え、ベッドを支えに床に座り込む。

 ドッドッドッ………そんな音が聞こえてくるほどに、心臓が早く動いている。

 心なしか、耳まで暑い。


「はぁ………」


 デートと意識してしまった瞬間、何かが弾けたような感覚に襲われた。

 未だ感じたことのない、未知の感覚。

 自分でもわからない、何か。


「長く生きてみるもんだなぁ………」


 長すぎるけど。そう付け加えて部屋の灯りをつける。

 周囲に漂う灯の精霊『へーロー』………死後、神に魂を拾われた少女の精霊は道標としても有名だ。


「………なら、俺の道も照らしてくれんかねぇ」


 無理なこととはわかっていながら、そう呟いてしまう自分に笑ってしまう。

 自分の運命は自分で決めてこそ──いや、切り拓いてこそ人類というものなのだ。

 神頼みは切り拓くための願掛け………失敗した時の責任の転嫁先にすぎない。俺はそれをよく知っている。けれど弱いから、やっぱり神にすがりつく。

 ………この肉体とて、それ故にある。


「………偶像(かみ)に頼らず………やれること、やってみるか?」


 とりあえず、俺はまだ生きていたいようだ。

 俺として『黒谷啓』という一人の人間として。

 ならば、俺がやることは一つ。


──長く生きる為、尽力する。


 今までのように、未知を既知に変えていく。

 出来ないわけがない。これまでやって来たことだ。

 新たな決意と共に、心なしかいつもより軽い腰を上げた。

決意の話になってる………何故。

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