第170話 第一学年二学期 体育祭24
「さて諸君! 遂に最終日だ!」
その一声で辺りは静まる。雑談の一つも聞こえないくらいに。
いや………そこまで真剣に聞く必要もないし、担任も頭痛を抑えているだけだし。あ、そこで俺睨むのやめてくれません?
「我々は今回、十分………いや、十二分に奮闘した!」
大袈裟に、どこか扇動者じみた動きをしながら続ける。
「最終日………我々一年A組のチームワークの良さを見せてやるぞー!」
『おー!』
──と、拓哉と他のクラスメートが申しております。
だからマツバ女史、俺を睨むな。拓哉を恨め。
でもまあクラスの一致団結はできてるわけだし? 別に良くね? まあ多少、乗り気ではなかった奴も初日はいたが………。
「よしクロヤ。お前後で職員室こい」
「何故に」
朝から面d──もとい疲れそうな、体育祭最終日であった。
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体育祭最終日は集団競技がメインで行われる。
二人三脚やクラスリレー等々。地球であった競技は一通り網羅していた筈だ。
「よし! 次は対抗クラスリレーだ! 用意はいいか!」
おー! と、いい返事が飛び交う。
うん。良きかな良きかな………。
「それじゃあ行くぞ!」
「よ! 頑張れ一番走者ー!」
「お前達が押し付けたんだろうが!」
拓哉は一番走者で俺は最終走者、ハギは三番くらいか? まあ頑張るだろ。ハギは。
なお、各クラス三チームに別れるのだが、何故か俺たちのクラスは戦力を一ヶ所に集めた。
いやいいけどね? 俺もそれで勝った奴ら知ってるから。
………まあこの競技、魔法は身体強化オンリーだしスキルなら余程のモノでなければなんでも使えるからなぁ………何でもありにも程がある。一体誰だよこんなルール作った奴………スキル禁止にした筈だぜ? 俺。
そんなことを考えていると、拓哉はいつの間にかスタートしていた。
おぉ………首位ではないが、ついて行ってるなぁ。
まあ拓哉、魔法は錬金魔法がメインだし、身体強化の魔法はあんまり練習してなかったからなぁ………まあそれでもあれだけ使えるのはすごいけどさ。
身体強化は誰でも使えるが、結構練習しないとキツいんだぜ? まあ拓哉も自主練習とかはしてたと思うけど………俺達のチームはいつの間にか第三走者になっていた。
ハギの出番なのだがライアは………真剣すぎるし魔導具の複製は止めてくんない? まあいいけどさ。
さて早くも第四走者に入った。ちなみに1チーム八人程度ね。ここは八人。ちょうど半分だな。
五人目は薗部なのだが、やはり素のステータスもあるが速い。
第六走者は五十嵐。
彼女は身体強化で無理矢理走っている。いやまあわかるけどさ。運動苦手だと公言してるようなもんだぞアレ。
続いて第七走者。俺もついに走るのか。
スタートラインに立ち、第七走者を待つ。
俺のクラス、何だかんだで三チーム上位に食い込んでるんだよな。
まあそれもバトンパスのコツにあるわけだが………。
第七走者が近くに来たので、俺も軽く走り始める。
そう。俺たちのクラスはアンダーハンドパスを行っているのだ。
バトンを受け取った俺は『加速』スキルで一気に走る。一周五百メートル。それを十秒とかけず一周するのが最終走者。
………他は半周なんだぜ? やっぱ悲しいな。
まあ九人の所もあるからしゃあないっちゃあしゃあないのだが………うん。七人のとこよりマシってことで。
俺は首位をキープしたままゴールテープを切った。
はい。更新です。
不定期になってましたねー………いやしばらくバイトもなければ部活もなくて暇なんです。あ、新型肺炎は関係ないです。元々なんですよ。
まあ来月は結構バイトが少ないのですが………まあそれはさておき。
一切触れなかったね啓のことと女神様のこと。
いやしゃーないのよ。次回やるから。たぶん。まあキャラが勝手に動いたら『御愁傷様~』ってことで。