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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第165話 第一学年二学期 体育祭19

~拓哉視点~


「すご………」


 思わず声に出た。

 それはハギさんの競技中。彼女のその根性にだ。


「だろ?」


 そう言って、選手席の隣で一緒に見ている友人は笑う。

 どんな表情で見てるか………それが気になって隣に視線を向けると、友人は微笑ましげに。優しげな表情で観ていた。


「ん? 何?」


 視線に気づいたのか、啓はこちらを向いた。


「いや、お前の声が優しげだったからさ………どんな顔してんのかな、って」

「なんだそりゃ」


 そういって啓は笑う。

 だがその笑みは先ほどのような優しげなものでなく、いつもの可笑しいときに見せる笑み。


「つーか弟子の成長を見て、嬉しくない奴なんていないだろ?」

「え? あれ本当だったの? てっきりそういう設定かと………」

「おい」


 俺は啓に謝罪して、話を続ける。


「ライアさんもハギさんのこと、家族みたいに見てるし、てっきり啓もそんな感じなのかなーってさ」

「ああ………まぁ………あるかもな」


 そんな歯切れの悪い言葉を返す啓。

 彼は更に言う。


「アイツさ、家族殺されてるんだよ」

「? 急にどうしたんだよ」


 急にそんなことを話し出す啓。

 俺の言葉に「まあ最後まで聞いてくれ」と、どこか年寄りくさい雰囲気を出して言う。


「一年前にさ、丁度俺が転生した時期にさ、まるでそうなるように、アイツの両親殺されたんだよ」


 気味悪くね? と、啓は笑う。

 その笑い方にはどこか皮肉のようなものが見てとれた。


「殺されたって………た、偶々だろ」

「そうかねぇー」


 彼は指で一つ一つ、何かを数えはじめる。


「偶々家族が殺されて、偶々俺がハギを助けて、偶々ハギが前世で救った子で………なあ拓哉。こんなに偶然って重なるもんかな?」


 偶然………確かに、その言葉が都合のいい言葉に聞こえるような出会いだ。

 もうそこまでくると、何かに操られているんじゃないかと思うほどに。


「だから、師弟関係(これ)は俺の俺なりの償いなんだよ。

 ハギが何不自由なく生きれるように、寂しくならないように──って」

「だ、だけど啓………お前『精霊』なんだろ? なら──」


 啓は首を横にふる。


「駄目だ。俺は………そんな長く生きられない」

「何でだよ………」

「それに………アイツの二週目の人生はさ、俺のような人生送らせたくないんだよ………あ、これ、ハギには秘密にな?」


 啓は場の空気を和ませるように、明るく言う。

 確かに啓の人生は………一度の人生しか知らないが、とても明るいとは言えない人生だったし、啓が言うにはその後の人生もロクなものではなかったらしい。


「………それに、アイツは俺といたら腐る」

「………なぁ、茶化すようで悪いけど何で顔赤いの?」

「アイツ思考駄々漏れなんだよ………」


 余程啓にとって恥ずかしいことなのか、啓は顔を背ける。

 俺は気になってそーっと移動する。


「おいやめろ」

「いいじゃんかよ。啓のそういう顔、あんま見れないんだし」


 余談だが、前世に啓の写る写真があるが、どの写真でもその顔に笑顔はないし、どこか暗いものだった。

 だから今の啓はとても親切なのだが、赤面顔はさらに貴重だったりする。


「本当に止めてくれ………」

「んじゃあ何言われたんだ?」

「………俺が慣れてないこと、これで察してくれ」


 啓が慣れてなくて、ハギさんの思考駄々漏れ………こうなると一つしかない。


「………けど、輝いてるじゃん。ハギさん」

「魔力で物理的にな」

「それに注目もされてる。活気もあるじゃん」


 啓にはなかった青春。それをハギさんは今経験している。

 その姿はとても眩くて、今の啓は直視もできないだろう姿。


「ハギさん。ゴールしそうだぞ」

「そりゃわかるけどよ………ホント止めろハギ。止めてくれ」

「なんか幽霊みたいだぞ」

「精霊なんだよ」


 あ、そういや『霊』だった………ってそうじゃない。


「ああいう輝いてる奴の隣にさ………不幸の象徴みたいな奴がいても、そいつの足引っ張るだけなんだよ………」

「──そりゃあ違うだろ」


 俺は啓の言葉に反論するように………何か衝動に突き動かされてまくしたてる。


「啓は不幸の象徴じゃないし、俺はハギさんの隣には啓がいるのがお似合いだって思ってる。それに………気づいてるんだろ? ハギさんがお前のこと好きなの」

「そりゃ気づいてるけどさ………」


 啓は椅子に深々と座り、両手で顔を隠す。


「あんな褒めちぎる奴始めてだし………嫌いにはなれないけどさ………駄目なんだよ」


 照れているからか、啓の顔は横から見ても真っ赤だ。

 けれどその啓から発せられる言葉はどこか違う葛藤のようで………。


 ………俺に啓の事情はわからない。けどハギさんの恋を応援したいと、啓に幸せになってもらいたいと、心の底から思った。

遅刻遅刻ー!

はい!遅刻ですね!

曜日感覚が完全にズレました!コロナめ!そして変なスケジュールを組んだ学校め!期末考査の後半出来るのかよ!


はい。改めまして更新です。

現在………というか書き終わったのは0時5分。今は書ききって時刻みて発狂して曜日感覚狂ったことを言い訳にしてるところです。駄目じゃん。

次回も拓哉視点です………そして女神サマのターンを行い啓の葛藤の理由を出して、三日目です。


ところで今コロナウイルスが流行ってますね………お陰様で花粉症の話題一切ナッシングでマスクも品薄で花粉症患者にはとてもつらいです。ぴえん(極寒)

そこにコロナまで来て………確か肺炎でしたよね。くしゃみや咳した時のダメージ倍増とか嫌ぁ!

皆様もお気をつけください。そして花粉症患者の皆様………お互い頑張りましょう!

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