表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
160/318

第157話 第一学年二学期 体育祭11

 開会式──それはただ面倒なだけの行事であり、地球にいた頃からあの頭毛のアクセサリーが飛ばないかと淡い期待をしながら時間を潰す時間だった。

 しかし、今回は多少異なる。

 少し見知った顔が約三つ──ライアを除いて二つあるのだ。

 一つは国王………名前は忘れたと──


「おー、ライアさんの隣に立ってる人、綺麗だな」

「そうだなー………」


 ライアの横に、よーく顔の知っている女性がいた。

 これには俺もハギも驚きを隠せない………ん? あぁ、そういやハギはダンジョン内で会ってたか。

 驚いているハギはさておき、俺は思案する。

 拓哉に魔法はかけられていない。魔術も同様だ。

 しかしだったら何故、拓哉は女神の姿を知らないのだ?

 分身………いや、あの女神サマ大雑把だからなぁ。分身の姿は本体と同じだったはず。

 だったら他の神か? 他の神が拓哉を転生させた? それは出来ない。

 この世界は三柱の神しかいない。

 『創造』『秩序』『破壊』………その下に『神霊』と呼ばれる()がいる。

 俺はこの三柱の一柱『創造』の神霊。

 そして『創造』の神は『生』を司る。

 故に俺はこの世界に『転生』した。

 だが『創造』は『転移』は司らない………はず。

 それは『秩序』に反するものだから。

 そっと、俺は二人の転移者に目を向ける。

 五十嵐露、薗部日由………果たしてこの二人は、どのようにこの世界に来たのだろうか。


「ケイ? 準備体操だよ?」

「ん? おー」


 思考を一旦区切り、準備体操の為に広がっていく。

 ………どうせ、あの女神サマがいるんだ。教えてくれるだろ。


■■■■


 ──いつからだろうか。私が利益のみを求める大人になったのは。


 競技を見ながら………黒髪の二人の青年を見て、国王はふと思い耽ていた。


 ──幼き頃、こんな大人にはなりたくないと思っていた。


 国王はそっと目を瞑る。

 幼少から国王は『神童』と持て囃されていた。

 それは年齢が一桁の頃に高校までの学を修め、優秀な成績を多く残したからに他ならない。

 だがそれ故に、幼い頃から賢かった故に、彼は汚い部分も理解してしまった。

 幼心に憤怒した。

 その心情も、今の国王は思い出す。


──いつの間にか。自分も汚い大人になっていた。


 闇取引、賄賂、違法実験………彼が関わった悪事。挙げ始めたらキリがない。

 次女が己の悪い所を引き継いだことを知りながら見ぬフリをして。

 一人の親としても、人としても失格である彼を、その娘を救ったのは二人の青年だった。

 国王は目を開く。


──私はこの国を変える。


 王位を継いだ時の心情を、あの日から忘れたことはなかった。

 きっかけを作った青年。クロヤ。

 娘を救ってくれた青年。サトウ。

 若かりし頃の決意を思いだし、彼は今からでも変えようと決意した。

 黒谷啓と佐藤拓哉………二人の存在によって一人の王は改心し、後に名君として後世に名前を残すこととなるが、それはまた別の話。

明けましておめでとうございます。

さて新年最初の更新です。女神サマは次回以降の登場を予定しております。国王はもう出ませんね………当分。


一応書いておきますが………本作の検索ワードに『サイコパス』を追加しました。

え? 誰がサイコパスなのか? ………一万年は余裕で生きた人とか? (後で書き直そうと思っていた回を見ていて、そんだけ生きれば少しは狂うかなーと思いまして)

また一章や二章、三章で個人的に気に入らない部分は少しずつ改稿していきますので、少しでも今後の話に影響のある場合は報告していきます………後書きでですが。


では、今年も本作をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ