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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第149話 第一学年二学期 体育祭3

「あー………もう動けねぇ………」

「喋る気力があるんだ。後二、三日はいけるだろ」

「それ啓の勤めてた会社の上司さんの話だろ」


 そうなんだよなー。

 俺は大の字に寝ている拓哉に水筒を渡す。

 中身は自家製スポーツドリンク。

 これも『地球の食べ物パクろうぜ』のノリでやったんだっけ。


「………なんだろうな。啓が異世界にある『ファンタジー感』をぶち壊しにしてくる」

「魔法とかあるだろ? 十分ファンタジーだよ」


 そもそも、俺あんまりその『ファンタジー感』とかわからないんだよなぁ………ネット系だとそういうの多くあったけど、紙媒体の方が好きだったし、有名なのを少し知ってるだけだし。


「あのぉ………私にもわかるようお願いしていい?」

「………拓哉、説明よろしく」

「ねえ? 俺疲れてること忘れてない? いや、説明させていただくけど」


 拓哉は起き上がり、一つ伸びをすると、胡座をかく。

 ………おい、そこ地面。砂の上。


「ハギさん。俺達………啓とか露、日由は別の世界から来たんだ。それはいいよね?」

「うん。啓だけは転生者なんですよね?」

「そうそう。で、その別世界では、この世界で使われる魔法なんてなくてね? そういう不思議──いや、空想の世界にしかないモノを俺達の故郷ではファンタジーって呼んでいたんだ」

「ファンタジー?」

「ハギには『幻想曲(ファンタジア)』の方が伝わるぞ。この世界でもオーケストラとかはあるし」


 ちなみに、ハギは前世で少しはそういう曲を聞いていた。

 魔法全盛期は娯楽も多かったからなぁ………もちろん。暗い側も栄えていた。

 奴隷とか、な。


「………納得したよ。でも、それじゃあ何で栄えていたんですか?」

「啓、パス」


 おい………そこで諦めんな。

 俺そこが面倒で押し付けたってのにさぁ………。


「あー、うん。ウチの一室に類似品置いてるから、後で見せるわ」

「えー………まあいいけど」


 ハギは残念そうな表情をするが、表現するのが難しい。

 というか、箱の中に人がいるとか言われてもいまいちピンとこないのよ。

 だからと言って細かく説明すると知識が追い付かずで………うん。やっぱ類似品を見せたほうが楽なんだな。


「走りきった者は教室に戻っていいぞ!」


 体育教師からのありがたいお言葉をいただき、俺と拓哉とハギは教室に向かう。

 ちなみに薗部は五十嵐と共に走っている。


「あ、そういや拓哉って美術部だったよな。絵で再現したらどうだ?」

「もう何年も描いてないから無理」

「だよなぁ………」


 とはいえ、全然描いてないわけじゃ無さそうなんだよなぁ………なんだかんだで模写とかよくやってたし。

 そういや漫画の模写とかもやってたし、高校の時は文芸部でイラスト描いてたっけ。

 ………で、美術部で創作漫画一冊だっけ? 確かストーリー考えるのを付き合わされた記憶がある。


「それじゃ、放課後まで暫し待たれや」

「はーい」

「あ、俺も見に行っていいか?」

「頼む。おかしなところあったら教えてくれると更に助かる」


 拓哉は町工場で働いていた──というか工場長の息子だったというか………次男だから長にはなれなかったんだよな。

 けど財務会計とかは拓哉が全てやっていたし、たまに製造のほうもやっていたらしいからな。

 そういう知識は、結構ためになるし、更なる改良に使える。


「得意分野だ」


 拓哉はニヤリと笑みを浮かべながら言った。

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