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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第四章 精霊達の青春………?
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第148話 第一年二学期 体育祭2

 体育祭といえば何を思い浮かべるだろうか。

 一キロマラソン?

 借り物競争?

 二人三脚?

 ………どれも脚を使うんだよな。

 ほら、綱引きだって魔法戦闘だって………。

 前置きもどきはさておき、俺達は今、その脚を鍛えていた。

 ………なあ、何事にも限度ってものがあるんだぜ?


「よーし。休憩だー」


 俺達は地面に寝転び、憎たらしいほどに快晴な空を見る。

 畜生………暑いし風ないし最悪なんだが。

 というか本当憎たらしい夕焼けだなぁおい。


「お疲れーケイ………」

「よ、お疲れ………ハギ」

「最初からハードすぎるだろ………」


 拓哉とハギも寝転ぶ。

 んー、まあハギも少し前走っていたが、あれは魔力で脚力強化した状態でたったからなー。


「というか啓が疲れてることに驚きを隠せん」

「隠す気もないだろ………一応人並みの生活を送ろうとしてんのよ。精霊なりにさ」


 本来の俺のステータスなら、これくらいで息切れはしない。

 しかし。しかしだ。

 強力故に、力加減を少しでも誤ると、色々面倒なことになる。

 ………主に校庭が。

 そんな訳で、いつも通り『制約魔法』でステータス縛り。

 ちなみにステータスはその時の様々な要因によって少しだけ増減する。

 まあ本当に少しなのだが………レベルが上がりすぎるとそれも本当少しも大きいのだが。

 というかSランク超えた時点で人間辞めてるからな………まあ己のステータスを制限するのは日常生活を送る上で必須なわけね。


「私も、『制約魔法』使ったほうがいいのかなぁ?」

「魔力だけだし、お前さんの場合他のステータスも順調に上がってるからな………魔力の暴走もほぼありえんだろ」


 そっかぁ………と、残念そうに言うハギ。

 ………ハギよ。お前、Sランクの面倒さを理解しておらんな?

 まあ理解されても複雑だが………。


「おいおい、まだ息切れ一つしてねぇぞあいつ………」


 拓哉が一人の青年に視線を向けていた。

 背筋を伸ばし、まさに見本とでも言うべき立ち姿で地面を見ている青年に。


「………」

「すげえよな。あんなに走って息切れ一つしてないんだぜ?」

「それだけ、ステータスの恩恵と才能があるんだろ。後努力量も」


 人によってステータスの育ちかたは異なっていく。

 例えば俺の場合は全てのステータスが均一に育っていったが………ハギは魔力量だけが偏って成長している。

 拓哉は器用さに特化しており、薗部は敏捷、五十嵐は知力特化だ。

 俺は均一に育ったステータスを『万能型』。一つに特化したステータスを『特化型』と分けて呼び、ちと研究したこともある。

 何十年何百年と研究し、それぞれの長所と短所について女神様に報告した。

 ………結構、まだ覚えてるもんだな。記憶。


「それだけか? なんか魔法とか使ってないのか?」

「さぁな。わからんよ」

「………」


 ハギから冷たい視線。

 おい止めい。俺は答えを濁しただけだぞ?

 ちなみに飄々としている青年──デントは、走っている間魔法を使っていた。

 物凄く静かな魔法だが、それでも観測することができた。

 ………精霊眼で。


「ハギ、使ってた魔法はわかるよな?」

「………『回復魔法』の『疲労回復』と『精神魔法』の『神経操作』?」

「正解」


 俺は起き上がる。

 少し伸びをするが、動くたび肌に付着する体育着にうんざりする。

 ………風も涼しいを通り越して寒く感じる。


「まあ、『疲労回復』の魔法は疲労を後回しにしてるだけなんだけどなあ」

「『精神魔法』を使って、その疲労を偽ったの?」

「そういうこったな」


 回復魔法の一つ。通称『疲労回復』と呼ばれるそれは、肉体を最適な状態にする魔法。

 ちなみに『回復魔法』と定義されるのは『肉体』に直接干渉する魔法のみ。

 その他………例えば『洗脳』とかは『精神魔法』に分類される。


「今、あいつは痛みは感じていないが、体は重たいはずだぜ?」

「やっぱ無理しないのが一番だねー」


 そうだなー。魔法使うとか面倒すぎる。

 運動してる時は特に。

 ハギもそれは身を持って知っているから、普通に走っていたのだ。

 もちろん、少し脚力を強化していたが。


「………なんか仲間外れ感がすごいな」

「おい! 私語は慎め!」

「すいません!」


 ………この後、全員更に何周も走らされた。

わー、懐かしいなぁ………校庭 (一周二百メートル)十五周とか。

ちなみに語られることはないだろう裏設定ですが………


・啓は中高と文芸部に所属していた

・拓哉も中高と文芸部に所属していたが、高校では美術部にも入っていた。

・薗部はテニス部に所属していた

・五十嵐は美術部と書道部に所属していた


というのを、今作りました。

裏設定なので本編で描かれる可能性はないのですが、なんかパーっと浮かんだので後で話に困ったら使おうと思います (四章の最後に入れるかもしれません。ちなみに四章は私の気分によって長くなる可能性大)。

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