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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第三章 長期休暇を使った旅行
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第139話 『時詠み』とは

「なん………だと」


 獣人さん絶句。

 ………いや、何でその反応? ちょっと現代に伝わる『時詠み』の伝承が知りたくなってきたわ。

 記憶探るか? いや、闇属性魔法の中でも難易度高いんだよ。

 んー『話術』に自信はないし………。


「と、『時詠み』は王家の運命を占うだけの人形のはずだ………なのに」


 ………うん。歪んだ解釈というか伝わり方を教えてくれてあんがとさん。

 そりゃあ『時詠み』の需要低くなるわな。

 そういう情報の改竄は『時詠み』得意だろうし………本当に未来は見えるんだけどな。


「お前さん。そりゃあ勘違いだよ」

「勘違いだと………」


 呆然としている獣人。そして頭の上にクエッションマークが浮かんでいるハギ。

 そういやハギには『時詠み』について教えていなかったな。


「『時詠み』とは未来を占うなんて生半可な能力が『本質』じゃあない」

「『本質』………?」


 ハギが疑問の声を上げる。


「『時詠み』の『本質』は『詠んだ未来に確定させる力』。その力を持つ一族を『時詠み』というんだよ」

「………え? 何それ? 普通に怖っ」


 本当にな。

 そして獣人さん茫然自失。

 話は後で無理矢理詰め込むか? いや、面倒だからしないけど。


「それ以外にも様々な力があるが………一言で言えば『時詠み』という一族は人類への『抑止力』なんだよ」


 その昔、人類の文明は世界の許容量を超えた。

 その時は何とかしたが、その後『人類』は神々のブラックリストに載ることとなった。

 とはいえそんな人類をずっと見守ることができる訳ではない神々は、人類への『抑止力』としてとある一族に『時詠み』の力を与えた。

 それが今の『時詠み』に繋がっている。


「馬鹿な………では我々はアイツに実験台にされるところだったのか………」

「いや、『時詠み』に人類が過剰な干渉を行えば半径十キロくらいは焦土に変えられるから、それが目的だろうな」


 まあ知ってやってたら本当に頭イカれてる奴だけどな。


「我々は………いや我は、とんでもない者達に手を出そうとしたのだな………」

「ああ。阻止できてよかったよ」


 獣人は立ち上がる。

 そして仲間の獣人達を起こし、概要を説明し始める。

 ハギも麻痺毒が解け、俺の隣でその光景を見ている。


「………カレンちゃん達も、難儀な運命を背負わされているんだね」

「そうだなぁ………」



 その後、薬屋の獣人達は自首した。

 反省こそしているが、これまでの被害者の数も多いので、犯罪奴隷として街で無償の働きをするのだとか。

 どうやら、その中身は善人のそれだったようだ。


 ………そろそろ、俺達も帰らないとな。

次回、帰宅? (予定)

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