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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第三章 長期休暇を使った旅行
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第116話 似ている師弟

「――それにしても、やっぱ朝から賑わってるのは見ていて新鮮だよ」


 ハギはそう言いながら、露店の冷やかしを始める。

 まあ気に入ったら何か買うかもしれないから、散財を始めたの方が正しいかもだけど。

 俺は特に見たいモノがある訳でもないし、まだこっちに来たばかりだし、もう少しのんびり行きたいのだがな………。


「あー、マジで見張ってないとはぐれそう」


 俺は散財しているハギに付いていく。

 まあはぐれても何とかなるが、面倒だからはぐれないのが一番いい。しかし、本当にはぐれそうだ。

 そういやアイツって人混み苦手じゃなかった? 俺は嫌悪感を感じるから嫌なだけなんだが、アイツの場合は本当の人見知りじゃなかったっけ? あ、もういねぇ。


 俺はハギを追うのを諦め、個人的に動く事にする。

 まあ行く宛もない本当にだらだらとした観光なのだが。

 そして、先ほどハギが言っていたように、朝から真っ昼間のような賑わいを見せている『ディグニティー』なのだが、朝からこんな賑わってるのは『獣人国』全域でなのだろうか? それともここだけ? 何か考え始めたら気になってきたな………。

 それに朝弱そうな種族も結構いるけど………事実と印象って異なることが多いよな。不思議なことに。

 観光もそこそこに――というか観光より考え事をしてしまうので、俺は冒険者ギルドへ勘頼りで向かうことにした。

 今更な事だが、そんな遊びをしている時点で暇人だな。俺って。


■■■■


 約二時間後。

 俺はついに勘だけでギルドに到着した。

 時刻は十一時。最早昼時なんだよな。

 しかし構わずに、俺はギルドに入る。

 何度も言うが、『獣人国』は高い建物がない。

 その理由は『獣人国』が定めている法にあるのだが、それのお陰で、俺は楽しく迷r――じゃない。観光兼ギルド探しが出来た。

 ギルドの中は完全に『和』の空間だった。

 基本的に他国――他種族の国のギルドは洋風な作りなのだが、獣人国のギルドは全て耐火性の高い樹木を多く使った『木造建築』であり、内部の事まではそこまで知らないが、ここ『ディグニティー』のギルドは土足厳禁らしい………『ギルド』というより『旅館』のような気がしてきた。丁寧に下駄箱まであるし………。

 俺は早速靴を下駄箱に――おお、鍵付きか。盗難防止策。

 ちゃっかり鍵をかけ、俺はギルドに貼り出されている依頼を見る。


「――『リンキン収穫』『檸檬(ねいもう)収穫』………やっぱ今時期は収穫手伝いの依頼が多いなぁ………」


 ちなみに『リンキン』は地球の『林檎』に外見が似てるから『林檎』の語源からとって『リンキン』であり、『檸檬』は『レモン』である。

 両方とも、この世界では一般的な果実ではあるが、この『獣人国』の果実は高級品が多い。

 まあ『リンキン』は外見林檎なクセに味は蜜柑だし、檸檬は酸味より苦味が強い訳だが。


 俺は『薬品配達』という医者からの依頼を受けることにした。

 さて、依頼主の所に行きますか。


■■■■


「あ、あれも――って、あれ? ここどこ………ケイもいないし………」


 私はいつの間にか迷っていた。

 現在地? わからないね。一体どこだろう? ケイはきっと諦めて独断行動をしているハズなんだけど。

 まあ分からないものは仕方がない。こんな魅力的な物で溢れている『ディグニティー』が悪い……責任転嫁は止めよう。

 とはいえまだお昼にもなっていない。

 いくら人が多いとはいえ、ケイの行く場所なんて精々冒険者ギルドだし、お昼までに見つからなかったら冒険者ギルドを探せばいいよね。

 そう考え、私は一人自由に観光することにした。

ちなみに本文中の『リンキン』は『林檎』の、『檸檬』は『レモン』の語源・由来だと調べれば出てきます。

次の更新まで、また結構空くと思います。

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