第111話 獣人の国に到着
獣人には様々な種類がいる。
有名なもので狼男などがいるが、それもいるし、それ以外にも猫人や狐人やら………まあ結構いる。
そして獣人の特徴も多くあり、まず耳が獣耳であることが良く挙げられる。
ちなみに一部地域の獣人にとって、『耳または尻尾を許可もなく触られる』行為は侮辱にあたる。伝統とかは守っていこう。
そして二つ目。獣人は二つに分けられることが多い。
これは種族差別などではなく、産まれた時にわかるのだが、獣人には『人間のような顔』を持つ者と『獣のような顔』を持つ者がいる。
前者を『獣人』。後者を『獣人』と分けて呼ぶ者もいるらしい。
ちなみに後者は前者の数倍の身体能力を持つ。
しかし個体数は少なく、一部地域や民族の中では崇めている場所もある。
そんな『獣人国』だが、実は『芸術の国』として有名だ。
それも獣人の芸術家は多く、世界的に有名な者も多くいる。
様々な転移者を俺は見てきたが、全員が「え? 獣人って器用なの!?」と、驚いていた。
まあ器用な獣人より不器用な獣人の方が多いのは確かだ。
しかし彼らは寿命が長い。
だからこそ、芸術に一生を注げば多くの作品が出来て『芸術の国』と呼ばせる程度には繁栄している国にすることが出来たのだ。
そんな獣人の国は島国が大半だ。
領土に海も山も多くあり、平野は少ないのだ。
まあその分林業や漁業が盛んで、転移者または転生者は「確かに漁業とかやってそうだわ」と、納得していたのは結構覚えている。
ってか結構この世界に転移者転生者が来るのは何故だ? そして俺は何故彼らの案内をしていたんだ? 謎だなぁ。
ちなみに人族が一般的に『魔族』と呼んでいる種族の一つである森人族は『魔族領』より『獣人領』に多くいる。
まあ『人族領』にもいるし、どこにでもいるけどさ。
ちなみに『魔族領』で仮契約を行った狼は『修好の橋』前でお別れ。
俺とハギは長い橋を何時間もかけて徒歩で渡った。全然通らねぇじゃん。人がさ。
「――よし、渡りきったな」
「疲れたぁ」
橋を渡りきり、その場にへたり込むハギ。
確かに疲れたし、ハギが弱音を吐かず自分の足で渡りきったのは凄い事だ。
「よし、じゃあ『足』捕まえるぞ」
「はーい」
ハギはそのまま『索敵魔法』で魔物を探そうとしたので、止める。魔力を。
俺はハギから不思議な目で見られる。
「どうしたの?」
「いや、休憩してろ。俺がちっと捕まえてくるから」
俺は『検索魔法』で周囲の魔物を探す。
ちなみに『魔族領』と『獣人領』じゃでてくる魔物も違うからな? だから橋の前で契約を終わらせたんだしさ。
検索の結果、馬型の魔物の虎のような骨格を持った魔物が居た。
俺は馬型の魔物を『転移』で拐う。
そして『仮契約』を。
条件は『契約中の衣食住保証』。
契約は簡単に成され、俺は馬型に肉やら草やらを与える。
ちなみにこの馬は雑食であり、食べる量も多い。
理由は固有スキルで敏捷力を強化するスキルを持っていることや、知覚能力を上げるスキルを持っているからだろう。
まあ仮契約だし、そういう馬は我が家に居た………多分新種になってるけど。
俺は馬に様々な道具を付けをする。
そして早いなハギよ。そんなに御者が嫌だったか。
荷台にハギも乗ったので、俺は馬に指示をだし、獣人領を走らせる。
目指すは獣人領首都である――名前なんだっけ? まあ首都に行けばば分かるか。さあ向かおう。