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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第三章 長期休暇を使った旅行
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第105話 これは鬼の所業――否、悪魔の所業かもしれんと今さらながら思う

 夕方。

 俺は依頼を終わらせ、入場門前のベンチに座って二人が帰ってくるのを待つ。

 しかし、その帰路は最悪だろう。

 あいつら他の冒険者に絡まれるし。モンスターにも絡まれるし。

 きっとあれだな。何か美味そうな匂いに釣られてくるんだなモンスターとかは。

 まあハギが怒って本気で魔法ぶっぱなしたら全モンスターとアグリピナに引かれるという……。

 なかなかいい経験になったであろう。

 そして帰路も中々いい経験に――


『助けて!』


 いい経験になるだろう。

 俺は何も聞いてない。本当に。

 だって急に『念話』がきて救援要請とか可笑しくない? 迷子なの? 確か方位はライアと一緒に教えたハズなんだけどなぁ……………。


『あの! 無視、止めて、くれません!? 助けて!』


 しかしどうやら空耳でもないようで。

 嗚呼! 空耳よ! ………本当に空耳ならよかったよ。


『で、何? 迷子?』

『迷子じゃない! 本当に! 助けて! 死ぬ!』


 うん。わからん。

 わからんのなで、一応街の外に――なんということでしょう。距離は結構離れていますが、なんと二人の人影とともに大量の大型モンスターが接近しているではありませんか!

 まあOK。事態は把握。やっぱり弟子は師匠に似るな畜生めっ! 本当にいつかやらかすと思っていたが今かよ! 旅行中にきたか! 予想外だわ!


『ハギ。人って死の瀬戸際に立っている時が一番力を出せるそうだぞ』

『知らんわ!』


 本当にね。んじゃあ助けに行きまーす。よいこらしょ。

 俺は『時空魔法』で空間を跳ぶ。

 猪や熊。それに飛ぶ蜥蜴(ワイバーン)さんも居るでねぇですか。


 そんな事を考えている間に、先ほどまでちっこかった人影――『飛行魔法』で逃げているハギとハギに背負われたアグリピナが俺を通り過ぎた。


「【止まれ】」


 その瞬間に、俺は『呪術』でモンスター共を止めて、『空間魔法』の一つである『空間断絶』で群れを囲うように空間を隔てる。

 そして断絶された空間にハギを飛ばす。


『ハギよ………死ぬな』

『それ一歩間違ったら死ぬってこと!?』


 YESだともさ。まあ死ぬ前には助けるけど。


『まあ頑張れ』


 俺は『呪術』を解除する。

 解除された途端、モンスター達は怒り狂った様子で俺目掛けて襲いかかってくる。

 まあ空間を『隔てた』ので一切俺には近づけず、それがまた彼らを怒らせる。

 ついでに言うが、隔てた空間からの声はこっちに届くことはない。逆も然り。

 唯一の会話手段は『念話』であり、これが何故使えるのかわからない。

 もしかしたら『精霊契約』のお陰なのかもしれないが、まあいい。ハギも大声に耳を塞ぐな攻撃しろや。


 煩い? まあ見ていて楽しいモンスターさん達の狙いが俺からハギに変わる。

 ついに俺に攻撃が当たらないしその空間から出られない事を――ありゃ、まだ一部のモンスターだけか。

 どうやら統率もとれていない群れだ………これずっと回避に専念してたら同士討ちでもしてくれるんじゃねえの? まあそんな甘い考えはさておき。

 ハギも攻撃を開始する。

 まずは小手調べな『水魔法』――うん。なんで得意魔法を優先するんじゃボケ。ここは『風魔法』か『土魔法』で対処しろっての。そして殺ったモンスターの血を使って攻撃すんじゃろうが。

 なんか結構ハギの『課題』が見つけられそうなので、俺はハギの行動を観察することにした。


■■■■


 二時間が経った。

 もう日も暮れてきている――今日は大型モンスターの肉鍋。そして野宿か。

 アグリピナどうしよう? ハギと一緒に寝せるか。うん。俺は――まあ読書でもして暇潰しかまたはハギの今回の戦闘でわかった欠点をまとめてどう無くすか考えるか。


 まだまだハギと大型モンスターの戦いは続いている。

 現在空飛ぶ鈍色の大蜥蜴――通称ワイバーンに手間取っているハギ。

 もはやアグリピナも目覚め、横で観戦しております。


『ハギ。まだ終わらんか?』

『暇なら助けてくれませんかねぇ!?』


 いやいや。俺結構助けてるよ? ほら、魔力供給とか魔力供給とか。

 まあそれ以外での支援? いや、する気はないかなぁ………あ、アグリピナ放り込むか。一応戦力にはなるだろ。魔力もSランクだし。

 しかし、ハギの戦い方が良くなっていっているのも確か。

 そこまで苦戦はしていない。普通に『念話』ができるくらいの余裕はあるし。

 それにこの戦闘で結構レベルが上がったからなぁ…………全てSランクを超えたって。おめでたー。


『まあ頑張れ。貴様なら出来る……出来る? かもな』

『ちょっと疑問形にするのやめてぇ!』

『…………うん。ごめん。出来るから』


 俺は反省の色が一欠片もない謝罪をし、再び言う。

 事実だし。それにモンスター達より少しレベルが高い位にはなってるし。

 ついでにスキルのレベルアップも出来ている。

 誠にいいことだ。




 ――そしてまた数十分後。ついにハギは全モンスターを倒した。

冬眠したいです。

後、サブタイトル考えるのが面倒です!

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