第10話 ライア
俺の家には、地球の技術が多く使われているといった。
しかし、それ以外の技術を使っていないとはいっていない。
まさにこの家に魔導人形はあっても不思議ではない!
………まあ、俺が作った訳でもないけどな。
この魔導人形――『ライア』は、偶然入手した物だ。
少し壊れていたがな。
この人形は、俺がとある遺跡に入った時見つけ、数年の時を費やし修理したものだ。
まあ、起動したのは奇跡といってもいいくらいだがな。
俺はこいつと『契約』を結び、こいつの主になった。
で、今までは家の管理をさせていた。
………この家に誰かが来るまで。
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っつう訳で久しぶりに見た。
無機質な赤い瞳、肩まで伸びている白髪、そして、王宮とかにいそうなメイドみたいな服装。
出会った時と一切変わらない姿であった。
ちなみにライアには、感情がある。
俺はこれをずっと解析していた。
もしかしたら――いや、絶対に他の魔導人形にも使える技術は欲しかった時期の話だな。
失敗に終わったのは良い思い出だよ。
だが、今の俺なら、解析出来るかもしれない。
『マスター、いい加減どいていただけないでしょうか? 正直言って邪魔です。頭が』
ライアは昔と変わらない毒舌だった。
本当………出会った初期のお前はどこいった…………。
それ以外にも結構言いたいことがあったが、まずは起き上がる。
少し伸びをして、彼女とやっと話すにことなった。
「久しぶり『ライア』。何年ぶりだ? お前のその姿、一昨日変わって無いな。性格もだが………」
「ええ、70年ぶりですマスター。……変わりませんよ、私の姿は。………それと、性格は余計です」
久しぶりに聞いた抑揚の無い声に、俺はホッと心の中で安心した。
………本当に何も変わっていない。この家も、ライアも、俺も。
「………それより、何故マスターが生きておられるので? 私は死ぬ所を目撃いたしましたが?」
「ああ、またヤロウにやられた」
「………やはりでしたか、どおりでそんなに若々しい姿なのですね」
「………それで? この家に誰か来たか?」
「いいえ、誰も来ませんでした」
この娘本当に毒を少しずつ吐くな。俺のような人間――じゃねぇや精霊じゃなかったら心がポッキリ逝ってたよ?
まあその言葉を聞き、俺は一先ず安心したはしたんだけど。
精密機械みたいな家だからね。
「それじゃあ『契約』のほうも?」
「ええ、現在の主は、ケイ様です」
え~、誰も来なかったのかよ~。
……まあ、簡単にバレてもテンション下がった気がするが。
まあ、今回は都合がいい。
この家も回収して使おう。
「レイア。俺はこの家を別の場所に移動させる……。ついて来るか?」
彼女にも、『意思』がある。
これは、ある意味ライアにとっての選択。
ここで『契約』を切るか、それともこのままか。
俺はどちらでもいい。ライアの意志を尊重する。
まあ、『解析』は絶対にするが……。
「私は、主について行きます。それが私の『答え』です」
俺は少し驚きながら、彼女の言葉に頷きだけを返した。
さあ、引っ越しと行こうか!