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100回目の転生で精霊になりました  作者: 束白心吏
第一章 転生者(精霊)と生活
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第10話 ライア

 俺の家には、地球の技術(オーバーテクノロジー)が多く使われているといった。

 しかし、それ以外の技術を使っていないとはいっていない。


 まさにこの家に魔導人形(オートマタ)はあっても不思議ではない!


 ………まあ、俺が作った訳でもないけどな。


 この魔導人形(オートマタ)――『ライア』は、偶然入手した物だ。

 少し壊れていたがな。


 この人形は、俺がとある遺跡に入った時見つけ、数年の時を費やし修理したものだ。

 まあ、起動したのは奇跡といってもいいくらいだがな。


 俺はこいつと『契約』を結び、こいつの(マスター)になった。

 で、今までは家の管理をさせていた。

 ………この家に誰かが来るまで。


■■■■


 っつう訳で久しぶりに見た。

 無機質な赤い瞳、肩まで伸びている白髪、そして、王宮とかにいそうなメイドみたいな服装。

 出会った時と一切変わらない姿であった。


 ちなみにライアには、感情(こころ)がある。

 俺はこれをずっと解析していた。

 もしかしたら――いや、絶対に他の魔導人形にも使える技術は欲しかった時期の話だな。

 失敗に終わったのは良い思い出だよ。


 だが、今の俺なら、解析出来るかもしれない。


『マスター、いい加減どいていただけないでしょうか? 正直言って邪魔です。頭が』


 ライアは昔と変わらない毒舌だった。

 本当………出会った初期のお前はどこいった…………。


 それ以外にも結構言いたいことがあったが、まずは起き上がる。

 少し伸びをして、彼女とやっと話すにことなった。


「久しぶり『ライア』。何年ぶりだ? お前のその姿、一昨日変わって無いな。性格もだが………」

「ええ、70年ぶりですマスター。……変わりませんよ、私の姿は。………それと、性格は余計です」


 久しぶりに聞いた抑揚の無い声に、俺はホッと心の中で安心した。

 ………本当に何も変わっていない。この家も、ライアも、俺も。


「………それより、何故マスターが生きておられるので? 私は死ぬ所を目撃いたしましたが?」

「ああ、またヤロウ(女神)にやられた」

「………やはりでしたか、どおりでそんなに若々しい姿なのですね」

「………それで? この家に誰か来たか?」

「いいえ、誰も来ませんでした」


 この娘本当に毒を少しずつ吐くな。俺のような人間――じゃねぇや精霊じゃなかったら心がポッキリ逝ってたよ?

 まあその言葉を聞き、俺は一先ず安心したはしたんだけど。

 精密機械みたいな家だからね。


「それじゃあ『契約』のほうも?」

「ええ、現在の(マスター)は、ケイ様です」


 え~、誰も来なかったのかよ~。

 ……まあ、簡単にバレてもテンション下がった気がするが。


 まあ、今回は都合がいい。

 この家も回収して使おう。


「レイア。俺はこの家を別の場所に移動させる……。ついて来るか?」


 彼女にも、『意思』がある。

 これは、ある意味ライアにとっての選択。

 ここで『契約』を切るか、それともこのままか。

 俺はどちらでもいい。ライアの意志を尊重する。

 まあ、『解析』は絶対にするが……。


「私は、(マスター)について行きます。それが私の『答え』です」


 俺は少し驚きながら、彼女の言葉に頷きだけを返した。

 さあ、引っ越しと行こうか!

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