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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:01 誤解
8/32

Episode:08

「ルーフェイア、私デザート取りに行くから、食べるならいっしょに行きましょ」

「あ、はい」

 エレニアに声をかけられ、少女も立ち上がる。


 質問ではなく提案の形を取るあたり、彼女もいいかげん慣れてきたと、ロアは思った。おとなしいうえに日常生活全般でズレているルーフェイアには、こうして道を作ってやり、選ばせたほうがスムーズだ。

 何より彼女ひとりでは、「選べない」という致命的な問題もあった。


 二人が仲良く話しながら、離れていく。

「今日はなににする?」

「えっと……」


 その後ろ姿を見送るロアの視界に、低学年らしい女子の集団が入り込んできた。

――昼食に似つかわしくない、異様な雰囲気。

 一様にルーフェイアのほうに視線をやるさまは、どこか殺気立っている。

 ロアは考え込んだ。


 面倒見がよく美人のエレニアは、後輩に人気がある。いわゆる「お姉さま」として憧れられるタイプだ。

 そのエレニアに、親しげにルーフェイアがくっついているから、妬まれたのか。

 一団の中心は、赤い髪の子のようだ。他より少し背が高いうえ、堂々とした振る舞いで、遠目にも目立つ。


「先輩、エレニア先輩ついてんだから、いくらルーフェイアのヤツがボケてても、平気ですって」

「違うってば」

 それもたしかに心配だが、今はそれよりもあの一団のほうが気になる。


「さっきから何見てんです?」

「うん、あの集団なんだけどさ」

 指差した先を見て、男子三人が口々に答えた。


「あれ、ウチのクラスの連中ジャン?」

「Bクラスの女子も、いっしょじゃないかな」

「だな」

 訊けばルーフェイアたちと同じAクラスの女子と、合同授業でいっしょになることが多いBクラスの女子、両方合わせた一団らしい。


「なんで、あの子たちいっしょに……」

「女子ども、数があんまいねぇから、合同クラスともよくつるんでますし」

「それは分かるってば」


 気になるのはそんなことではなく、なぜ彼女らがみな、同じような敵意を見せるのかだ。

 エレニアのファンというだけならいいのだが、ルーフェイアと同じクラスというのが引っかかる。

(まさか……)

 イヤな予感がした。



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