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葛藤 ルーフェイア・シリーズ04  作者: こっこ
Chapter:04 真相
30/32

Episode:30

◇Nattiess

 信じられなかった。

 イマドとかといっしょに、危ないって知らせるために、シーモアたちを追いかけて。

 途中でイマドがいきなりスピード上げて、あたしも慌ててくっついてって、崖を降りたの。けど降りきらないうちに、洞窟から飛竜が出てきちゃって、修羅場になった。

 なのに……倒されたのは、飛竜のほうだなんて。


 たしかに連係プレーで、ルーフェイアったら後ろからの不意打ちだったけど、それでも。

 あの魔法、たしかふつうに覚えられるやつの中じゃ、最上級クラス。しかも、威力だってハンパじゃない。

 飛竜が倒れてから少しして、やっとルーフェイアが緊張を解いた。


――寂しい横顔。


 誇らしげとか、そういうのはまったくナシ。むしろ、悲しそう。自分のしたこと、嫌がってるみたいにも見える。

 だからなんとなく、分かった気がした。

 ルーフェイアがここへ来た理由、たぶん……これだよね。


 その辺のMeSなんかじゃ、手に負えない。それどころか、このシエラの本校でだって、ずば抜けちゃってる。

 あたしから見たら、それってすごく羨ましいけど。でもルーフェイアにとってはそれ、すごく嫌なことみたいだった。


「ルーフェイア、あのね……」

 崖から降りて、なんて言っていいかわかんなくて、でも話しかけようとして。けど、できなかった。


「このバカっ!!」

 いきなりイマドの怒鳴り声。ルーフェイアの胸倉掴んでる。

「な、なに?」

「また平気で、ひとつ間違えば死ぬようなマネしやがって!!」

 すごく怒ってるし。まぁ、分からないでもないけど。


「でも! それに、倒さなきゃみんな、死んじゃう」

「そういう問題じゃねえだろうがっ!!」

 あたしとシーモア、顔を見合わて。だっていきなり、痴話喧嘩見せられるとは思ってなかったし。


「ねぇ、止めたほうがいいのかな?」

「多分そのほうが、いいんだろうけどさ……」

 シーモアも呆れ顔。

「放してっ!!」

 ルーフェイアも、たしかに嫌がってるんだけど。


 でもあの子が本気なら、イマドあっさり倒されちゃってそうだし。それしないんだから、手加減してるんだろうな、なんても思うし。

 そうは言ってもこのまま放っておくわけにもいかないから、とりあえず2人を引き離してみた。

 でも剥がしてみたら、怒ってたのはイマドだけみたい。




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